決勝トーナメント進出
『大変長らくお待たせしました! 決勝トーナメントを行います!ここからは一試合ずつ行いますので、実況・解説にも力を入れて参ります! さぁ! 抽選も終わり一回戦の組み合わせも決まりました!』
よし、ついに決勝トーナメントだ……
私の一回戦の相手は……
『一回戦第六試合を始めます。武舞台に集まってください』
あれは、冒険者か……大した魔力も感じないくせに、よくここまで勝ち残ったものだ……つまり、強者だってことだ……
「あんた平民のくせによくもまあ勝ち上がったねぇ……ま、私と当たったのはツイてなかったねぇ……」
「はっ! 女のくせに生意気な口ぃ叩きやがって! その鬱陶しい長ぇ髪を引き抜いてやんぜ!」
まずは挑発から。少しでも冷静さを奪えれば儲けものだ……
『双方構え!』
『始め!』
『風弾』
こいつを近寄らせてはいけない……距離をとって戦わないと……
「効くかぁ! ちまちまやってんじゃねぇ!」
『浮身』
踏み込みが鋭い!? くっ、空まで追ってこれるか……?
「逃すかぁ!」
うぐっ!? 鞭!? だめだ! 私の足首に!?
「へっ、逃げ足ぁ大したことねぇな?」
ちっ、引きずられる前に……
『風弾』
目眩しの風を撃ち込んで……
『闇雲』
真っ暗な雲であいつの視界を覆う……
「だからそんなしょぼい魔法なんざ効かねぇんだよ! おらぁ覚悟しろやぁ! ちっ、逃すかぁ!」
「おらぁ! ここまでだぁ! 降参しねぇってんなら容赦なくブッ刺すぜぇ!」
「そうかよ! そんなら仕方ねぇなぁ! 死ねやぁ!」
「なかなかしぶといじゃねぇか! だがもう終わりだなぁ! 首ぃ切られて生きてられっかどう試してくれんぞ?」
「なっ!? バカな! 首ぃ落としたんだぞ!? な、なぜ生きてる!? はっ、まさか!?」
『風球』
「ぐがぁぁぁっ!」
ふぅ……単純なバカで助かった……
接近戦だと勝ち目はなかったな。魔力が低いせいで幻術を見破れなかったようだな……
私の足から鞭は外れていない……それを外して逃げたように幻術を見せただけだ……気付くのが少し遅かったねぇ……
残り八人……後三回勝てば……
兄上……見ててください……