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ポジティブ先輩とネガティブ後輩の小噺 〜言葉のナイフは後輩に突き刺さる編〜

作者: 栗山nico.

「せんぱ〜い!」

「どうした後輩!」

「さっき、さっき、私に暴言を吐いてきたお客様がいたんです〜」

「話してみろ」

「さっき、登山の格好をされた方が来館されたんです」

「うん、それで」

「私は、氏名の記入、緊急連絡先の記入が必要ですと申し上げたんです」

「うん、それで」

「そうしたら、『トイレの利用だけで、名前と連絡先?めんどくさいのでもういいです』と言われたんです〜」


私は今、”地域の民が集える”という名目で建設された施設の受付で働いています。

現在、世界では新しい感染症が蔓延していています。

人が集まるこの施設では”感染症対策”として、来館者の検温と氏名と緊急連絡先の記入をお願いしているのです。


この施設は登山道の傍らにあるということで登山のお客様は、施設のトイレだけを利用される方も多いのです。

トイレだけを利用する方にも、来館者として、氏名などの記入をお願いしています。


私は、先輩に、愚痴を続ける。


「立ち去るだけなら、無言で立ち去ればいいじゃないですか〜?どうして、半笑いで、『もういいです』とか言うんですか〜」

「後輩!そう深く考えるな!来館者が減ったことによって、ルールを守って気持ちよく利用していただいている方々の感染リスクが下げられたんだ!嬉しいことではないか!」

「先輩!私はそれじゃ、言葉のナイフに刺され損じゃないですか〜」

「後輩!甘ったれるな!」


「先輩!そこは、慰めてくれるところじゃないんですか?」

「まあ、話を聞け。確かに、そのお客様は口は悪いし、性格もわるいだろう。そして、顔も悪いかもしれない」

「先輩!私はそこまでは言ってないです!」

「そのお客様は俺たちが世の中で生きるための必須クラスのものを開発したエンジニアかもしれないだろう」

「そんなの口の悪さとなんの関係があるのですか〜?」

「後輩!わからないのか?この世界はみんなが1つの歯車として噛み合っているんだ!もし、今、暴言を吐いてストレス発散をしなかったら、俺たちの生活を支える便利なものは開発されない未来だってあったかもしれない!そう、後輩!お前は、今、世紀の大発見をした功績と同等の功績を残したんだ!」

「先輩!意味がわからないです!」

「ああ、分かりやすく要約してやる!お前は、世紀の大発見者だ!」

「私がですか!」

「そうだ!だから、頑張って、受付の仕事に戻れ!」

「はい!」


私は仕事に戻ろうとする。

私は思いつく。


私がこのまま受付を続ければ先輩も世紀の大発見者になるチャンスを私が潰しているのでは?

それは悪いです!一人占めはダメです!


「先輩!私だけが世紀の大発見者の称号を独り占めしては悪いです!事務と受付の仕事を交代します!」


しかし、受付の仕事にはついてくれない先輩であった。


「せんぱ〜い!」

「後輩!断る!」

何気ない一言が、心に刺さる時ありますよね!

そんな時に、思いついたお話です!

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― 新着の感想 ―
コロナで非常事態宣言でた年だもんね〜 コロナしんどかったなぁ(> <。) お熱は3日位で下がったけど、後遺症で匂いがせんくなって、何食べても味が分かんないという(つ﹏<。) と、身長も縮んだのか…
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