Role of the Star : Saturn‘
何もない空間で少女が目を瞑って座っていた。体は左右に揺れて鼻歌を歌っていた。少女というのは幼すぎていてロリと表現する人もいるかもしれない。
いつまでも続くかと思った鼻歌は突然終わり、鼻歌を歌っていた少女はゆっくりと目を開ける。
「ああ、やっと見つけた」
少女は両手を伸ばし見えない何かを掴もうとする。
「リリィ、私ね貴女のことを尊敬していて憧れていて好きで守りたくて会いたくて好きで話したくて触れたくて好きで抱きしめたくてキスしたくて好きでデートしたくて手を繋ぎたくて好きで添い寝したくて好きでいつもそばに居たくて好きで雨の日も好きで晴れの日も好きで風の日も好きで嵐の日も好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで大好きで愛してる。だけどね邪魔者が沢山いたの。人が邪魔だった、神が邪魔だった、星が邪魔だった、宇宙が邪魔だった、時間が邪魔だった、理が邪魔だった。私と貴女を切り裂こうとして何度も立ちはだかる。邪魔だった邪魔だった邪魔だった邪魔だった邪魔だった邪魔だった邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔邪魔。だけど諦めなかった。だって私愛しているから。恋しているから。貴女に会いたかった」
何もない空間に光が走る。
「だから私、全てに叛逆したの」
どこかの都市の通りに変化する。
「褒めて、撫でて、抱きしめて! 私、貴女のためだけに頑張ったんだよ。だからーー」
「ーー私だけを愛して」
そう言うとスキップしながら大通りを進んでいく。あまりに異常な行動に周囲の人たちは何も言えず呆然として見つめていただけだった。
彼女は後に叛逆と呼ばれる獣である。