路上寝
俺は、いわゆる警察官。新人の警察官で、交番
任されている。
今日は4日に一度の夜勤だ。高円寺の夜道を巡回する。
暗い夜道。
店の光に隠れ、ヘッドライトが伸びる。
路上で、眠りこけている男を発見した。いわゆる路上寝と言うやつだ。
とりあえず、パトロール任務の一環として話しかけなければならない。
男に近づき、トントンと背中を優しく叩き、俺は言った。「大丈夫ですかー?」
反応はない。
というか、やはり酒臭い。俺も酒好きなので、その気持ちも少しはわかるが。
が、こういうのがよくあるからこっちとしては困る。
「あんたがいると困るな!」
突然、怒鳴り声がした。
「誰だ!?」
俺は勢いよく振り向いた。
すると、そこには刃物を持った男がいた。
通り魔だ。
通り魔との距離は0。
足がすくんだ。
通り魔は、刃物を振り上げた。
俺は新人の警察官だ。
警察官とはいえ、こんな経験はない。
何も出来ない!
「ハッ!……」夢か。
俺は、居酒屋にいた。