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俺と黒猫とガーディアンの異世界捜索隊  作者: s_stein
第二章 ダンジョン編
33/60

33.剣の助け

 二人は少し泳いだが、水流が半端ないので、逆らって泳ぐのは難しいことがわかってきた。


 立ち泳ぎすると、すぐに流される。でも、完全に通路が水で埋まってから泳ぎ始めたら、距離を考えると息がもつのかわからない。


 パニック寸前の彼らは、互いに「どうする!?」と言い合って結論が出ない。


 どう考えても脱出は不可能。いよいよ万事休すと思われたその時――、


 バシャッ! バシャッ!


 水が跳ねる音が連続したかと思うと、二人の前に二本の剣の上半分が水面から飛び出た。


『私たちを手放すとは、ひどいですわ!』


『言語道断』


 オルテンシアの剣とカメリアの剣が、二人を見つけ出して顔を出したのだ。


 二本の剣はさらに浮上しながら90度回転し、水面と平行になる。剣の切っ先は、二人が泳いで行こうとした方向を向く。なお、剣は水没しておらず、宙に浮いた格好だ。


『これにつかまりなさい!』


『さあ、早く!』


 シュヴァルツは両手でオルテンシアの剣の柄を握り、ハルトも同じ格好でカメリアの剣の柄を握った。すると、二本の剣が奥へ奥へと進む。二人は水しぶきを上げながら引っ張られていった。



 これから何が起こるか想像が付いたハルトだが、本当にそうなるのか心配になってきた。


「カメリア、どこへ行く!?」


『決まってるでしょ。水が流れ出る穴』


「で、どうする?」


『穴の向こうへ出る』


「無茶苦茶だあ……」


『いやなら手を離して』


「死んでも離すものか!」


『…………』


「お前、もしかして、顔が赤くなったとか?」


『変態』


「なぜに!?」



 しばらくすると、正面の壁が見えてきた。さらに左右の壁の天井に接する高さに、人一人が楽に通れる四角い穴が一つずつあることもわかった。その左右の穴から水が流れ込んでいるのだ。


 だが、最初にハルトを襲った水の勢いから察するに、他にも穴があるはずだ。でも、ここの2箇所しか見当たらないので、他の穴はすでに水没しているのだろう。


 カメリアの剣は左の壁にある穴の前で止まり、オルテンシアの剣は右の壁にある穴の前で止まった。


 穴からはまだ水が流れ込む。なので、水位は確実に上がっていく。四角い穴の底辺を越えても上昇は続く。


 と言うことは、天井まで完全に埋まらないと水は止まらない。


 また心配になってきたハルトは、カメリアの剣へ救いを求めるような目を向ける。


「なあ。他に方法はないのか?」


『ない』


「じゃあ、いつ飛び込む?」


『もう少し待つ。そうしないと、この勢いでは押し流される』


「もう少しって?」


『息が出来る限界まで』


 ハルトは驚きのあまり声が出なかった。でも、考えてみれば、この通路が水で埋まれば穴からさらに入ってくる水はないので、水流は止まる。


 カメリアの言う通りの方法しかないのだ。


 水面がジリジリ上がるのに合わせて、剣もそれと平行に上がっていく。


 ついにハルトとシュヴァルツの頭が天井に付いた。口も水没を始めた。


 すると、オルテンシアの剣が二人に聞こえるように言う。


『大きく息を吸って、目を閉じて、1分我慢ですわ』


 ハルトとシュヴァルツは、その声に従った。


 さらにカメリアの剣が『柄をしっかり握って』と補足する。彼らは、もちろんそれにも従う。


 と、突然、二本の剣が同時に水に潜り、柄を握る彼らを水中へ引きずり込んだ。


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