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覆われた未来  作者: いおり
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交換ノートの始まり

「ただいまーって誰もいないのか..」

僕は母と妹、3人で暮らしている。父は三年前に他界した。その分、僕が家族を支えている。母は夜遅くまで仕事をしていて、平日は滅多に会えない。休日は会えても1〜2時間くらいだ。妹は多分、部活だろう。運動神経も良くて、部活ではキャプテンをしているらしい。僕とは全く違う。スポーツが出来るって羨ましいな。って日頃からずっと思っているくらいだ。上手さは中の中くらいかな。そんなことを思いながら、僕は夜飯をつくっていた。

先に飯を食べようと手を合わせたのと同時に玄関の戸が開いた。

「お腹空いたー。お兄ちゃん、ご飯できてる?」

「出来てるからはやく準備をしろー。」

「はーい。」

こんな会話をするのは日常茶飯事。まぁこのくらいが丁度いいんだけどさ。

舞は”疲れたー”とか”だるい”とか口にしながらゆっくりと席についた。

「いただきます。」

今日もいつも通りバランスの良いご飯をつくった。舞はそんなこと思ってないだろうけど、僕は健康的なものを毎日のようにつくっている。キャプテンということもあって、かなり疲れるらしいから元気をつけさせないと。

「お兄ちゃん、なんか元気ないね。悩み事?良かったら聞くよ?」

「え!?そんな風に見える?全然大丈夫だよ!」

「なら、安心!あんまり無理しないでね。」

二年前からずっとふたり暮らしをしているようなものだからかなり仲が良い。周りから言われるほどだ。そのおかげで二人で暮らしていけているけど、仲が悪かったらどうなるのかなって思うだけでゾッとする。

「ごちそうさま。」

舞はそう言って自分の部屋へ行った。僕は片付けをして、ずっと自室で”交換ノート”と睨めっこしていた。

「どうしようかな...」

そう思いながらも僕は「受」と文字を書いた。しかし、どこに置けばいいのか分からなかったからそのまま所持しておくことにした。

数時間後、ノートを開くとこう書いてあった。

”書いてくれてありがとう”と。

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