表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/24

天下


 武将に慶次そして、半兵衛の三人は信長が追放した頼継を追放した後に居城としている小田原城を目指した。


 小田原城は「堅城小田原」と言われるようにあの武田信玄や上杉謙信をもってしても落とすことはできなった鉄壁の城である。なぜかこの世界では、幕府が建てた城で本物の小田原城とはかけ離れたスケールの小さい普通の城のようだ。


 武将はかの有名な小田原城が見れるとわくわくしていたがその夢は叶わず消えた。


 一行は、二日で小田原城に着いた。


「私たちは前田からの使者だ。織田信長公に話があり参上した」


 門はすぐに開けられ、中から知的な女が現れた。今で言うとできる秘書といったところだろうと武将は思った。


「どうぞこちらへ」


 女は小田原城へ迎え入れた。


「ところであなたは?」


 慶次は誰だか気になり聞くのであったが


「ふふふ。そこにいる竹中半兵衛ちゃんに聞いてみたらどうですか?」


 すると半兵衛は震えながら答えた。


「し…ば…た…かついえ」


「柴田勝家!」


 武将は、またしてもすごい反応だった。


 柴田勝家は、織田信長に仕え、数々の武功を上げた武将だ。賤ケ岳の戦いで秀吉に敗れるが、それまで信長の後継者の筆頭と言われていた。武将のイメージではひげ面のおじさんのイメージだったがこんなに美人だったのか…… やはりこの世界はおかしいと思うのだった。


「信長様はあなた方を待っていました。こちらの部屋です」


 等々戦国のヒーローに会える時が来たのか武将はワクワクが最高潮に達した。


「表をあげよ。前田の使者たち」


 そこには自信があるようには見えないが信長の姿があった。例えるならば何もしたことがない箱入り娘のようだった。


(こいつが織田信長…… こんな奴がどうやって将軍を追放したのか)


 武将は思った。そこへ慶次が割って入る。


「我々前田が織田信長殿に加勢してしんぜよう。しかし、それには条件がある」


 武将は止めようとしたが慶次は言ってしまった。本物ならここで斬られるとは思うがこの信長は違った。


「良いぞ申してみよ」


 慶次は書状を信長に渡した。その内容は


1、前田と織田は立場が対等。もし裏切られることがあれば容赦なく滅ぼす。


2、貿易をすること


3、織田が攻められた時は前田、前田が攻められた時は織田が援軍を出すこと


4、将軍を追放したことはできる限り伏せること


 この内容は、織田にとって悪くない条件だったらしく、返事はすぐに出た。


「いいでしょう。前田との同盟を受け入れます」


 ここに前田と織田の同盟は成立した。


「信長!あんたに聞きたいことがある。なぜ将軍を追放したんだ?」


 その質問に信長はにやりと笑った。


「私も天下を目指そうと思ったからです。将軍家は私の天下には邪魔でした。だから追放したんです」


 その答えを聞いて武将は、顔色が変わった。


「そうかそうか前田も不要になれば滅ぼすのか? いい答えだが天下を取るのは俺たち前田だ! 不要になってのなら一戦交えて勝った方が天下だ。それまでは協力してくれ」


 武将の言葉に慶次も半兵衛も何も言い出せなかった。しかし、前田家を思う気持ちは伝わった。


「ここは戦国の世です。最後に勝つが織田か前田か最後に生き残った者が覇者なのですよ。織田が勝つか、前田が勝つか、それは終わってみないとわからないことです。


「そうかい、それが真実ならお互い助け合って生き残らないとな」


 こうして前田と織田の同盟が成立した。


 一行はこの吉報を持って居城へと戻るのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ