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月夜の☆じゃむパニック!~YUMESAKIMORI外伝~  作者: 夢☆来渡
第二夜【戦士とチカラ】
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【戦士とチカラ・6】

「最初、歌をラジオで聞いたの。ああ、なんて素直な歌い方をするヒトなんだろう、って思ったわ。特に上手いとか、かっこいいとかよく居る歌手じゃなくて、歌の歌詞に対して思いを乗せてるのが伝わって来るの」


 六人と合流したレンとジンは、隊を分けて邪夢の討伐を開始した。


「その時のラジオで名前だけは覚えてたんだけど、そんなにメディアに出てなくてテレビの歌番組でもFMラジオチャートでも見かけなかったわ」


 他の部屋に真面目に討伐に行っていた二人を、隣の家に向かわせ、事後処理と夢珠の回収を頼む。


「で、ある日ラジオで【内田ユウキの夜空に you Kiss】を聞いたの。その時は内田ユウキが目当てでラジオ聞いてたんだけど、その番組が終わって、しばらくして次の番組が始まるじゃない?ラジオ付けっ放しだから当然なんだけど。そしたら、なんか聞いた事ある声だなーって、よくよく聞いてみたらそれが漆原めぐみだったわけよ!」


 その二人が居た部屋を入れ替わりに黄色帽子とオレンジ帽子、ムラサキ帽子のマサルを三人で向かわせる。


「それから【漆原めぐみの東京ドゥギーナイト】を聞くようになって、ラジオの話からめぐさん、あ、漆原さんの事ね。めぐさんが声優だって事を知ったわけよ~」


 今、子供部屋に居るのはレン、ジン、オードリーだ。子供部屋とはいえ、部屋の主はもう高校生で身体も大きい。壁にかかったサッカーのユニフォームや無造作に置かれたスパイク。大きく成長したニンゲンである程、悪夢を見る回数も、夢珠を発生する機会も同時に多いため、気は抜けない。


「そりゃあテレビで探しても見かけないわけよね、声優なんて職業、基本的に裏方だもの。でも、声や歌にチカラって言うか、魂を込める事が出来るワケを知ったわ。言霊ことだまってやつよ。やっぱり声優だからこそ、あの歌がうたえるのよ」


 気は抜けない。

 のだが、オードリーの漆原めぐみ談議も止まる事を知らない。

 いい加減飽きてきたレンが口を開く。


「俺たち次の部屋に行っていいか。マサルをこっちに寄こすから、あとは二人で監視してくれ」

 オードリーが漆原談議を中断する。

「あら、邪夢はどーしたのよ」

 部屋のドアの隙間から出ながらレンが返す。

「どーゆーワケかこの部屋は邪夢の姿がない。ラジオの影響かもしれないけど、ニンゲンも夢珠作る気配ないし、次行くわ。うるさくてかなわん」

「ラジオの音量少し下げるくらいなら構わないんじゃない?」

「もう一個のラジオがボリュームとスイッチ壊れてるんだから意味ねーよ」

「もう一個?」

 ジンがクスリと笑ってレンと共に部屋を後にする。

 オードリーは部屋にもう一つあるとは気付かなかったと辺りを見回すのであった。


 そして程なく、他の部屋の邪夢討伐を終えたレンとジンは、四人の小人達にあとを任せて【中島家】に向かった。


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