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アンコモン  作者: 蛙屋
2/24

お約束

カラカラ・・・・チリンチリン・・・・


専業主婦でした。

旦那の出勤が早いので5時半起床でした。小学生組を送り出し、三男を通園バスに乗せたら、昼過ぎまで家事をして、子供が帰宅するまで自由時間です。


以前は図書館に通っていましたが、最近はネットで無料小説を分け隔てなく読み込んでいました。


だからこの状況、理解できてます。お約束ですね。


見知らぬ天井が見えます。


気が付いたとき、真っ白な部屋に、神様がぁぁぁ・・・・の展開を望みましたが、残念ながらロリ少女もお爺さんも綺麗な男女もいませんでした。素敵な特典のチョイスと現状把握は不可みたいです・・。『ステイタスオープン』・・・・。『鑑定』・・・・・。一応、念じてみました。・・・なんかこの流れ、恥ずかしい。子供とした怪獣ごっこより羞恥心が揺さぶられる。転生するのは「異世界」、中二病かよ37歳のいい大人が、い・せ・か・い。ネット小説の読みすぎだわ。

自分の手をジッと見つめます。小さいもみじ・・プニプニですね。この手の感じは新生児、生まれてすぐか。一番避けたい状況でした。最低でも3歳ぐらいからの覚醒、ベストは15歳からやり直しがよっかた。ハイハイって何か月ごろだっけ7,8?肌の色は・・。なんか白い。あー日本人がよかったのに、こんなに意識がハッキリしていて新しい言葉覚えれるの?ところで親はどこだ?


カラカラ・・・・チリンチリン・・・・


さっきからベビーベットの中で、カラカラ優しい音色がします。30センチぐらいの桃色カエルがオルゴールの様な物のネジを回しています。すげー、リアル。もしかして結構な未来に生まれ変わったのかも。Jサッカーの非公認マスコットのカエルみたい。うは、かわい・・・。えっ、カエルが、動いた。こっち向いた。あ、目が合った。本物だわ。生きてる。


カエルを認識した瞬間、現実逃避が崩れ去りました。


あAぁあぁぁぁぁ!!!生まれ変わり!!マジ無理絶対いや、なんで、なんで。最悪マジあり得ない。何で死んだ。智君、春、翔、拓、もう会えないの。そんなぁ・・。あの後3人はどうなった。ああ、みんな救急車に乗った。あの時は・・・、生きてた。携帯のロック番号伝えた、隊員がイケメンだった。最後の会話・・・。「大丈夫」だ。そうだ大丈夫って伝えたんだ。死にたくなかった、もっと生きたかった。ごめんね。みんな、ごめんね。お母さん、死んじゃった。先に死んだらお化けになるって、いつも後ろ付いて回るって決めてたのに。こんなに未練タラタラなら、地縛霊だろ。転生・・、転生ってなんだよ。智君、ごめん。後始末大変だよね。家の中片付いてないし。他人が入るの嫌だ。通帳、保険の契約書は見付けられたかな?入学準備もっと早くにすればよかった。通学バック作ってあげたかった。


これからの自分のことより、残した家族への思いが頭の中を駆け巡り、もどかしい思いを盛大に愚図り、大声で叫んだが言葉にならない。声が出ない。体が熱くなる、息も苦しい。きっと顔面真っ赤になってる。カエルが焦ってる・・のか?カラカラの速度を上げだした。


これから家族はどうなるの?私どうすれいい?何も思い付かない・・・。興奮が冷め、体から力が抜けていく。


キーガチャ。

建付けの悪いドアの音が聞こえた。


誰だ。頭が上手く回らない。視線の端に現れたのは・・、わぁ・・・・・・・・ワニ。鰐。クロコダイル。服着てるるr・・・。こっちに来る。


突然 睡魔に襲われました。

やっぱりお約束でしょ・・・・。ここで意識が・・・・。










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