カエサリア-9(特殊乱入募集中)
カエサリアの街でスレナスや自分のキャラ以外の冒険者ギルドキャラに絡むキャラとその行動を募集します。
以下からか選んで、乱入ルールに準じて名前年齢性別と口調を設定して、行動を掛けてください。
新たに創らず、既に作中に登場しているキャラの行動を掛けても構いません。
(メッセか感想で受付。没ありで順次採用。最終締切3/10)
1.場所選択肢
ア.奇跡のワイン工房
イ.大浴場
ウ.市場
2.キャラの立場選択肢
A.旅芸人
B.巡礼
C.警士(大人の男限定)
D.大浴場の奴隷(子供限定)
E.娼婦(大人の女限定)
F.宿のお姉さん
G.ヴィユーヴィル侯の手の者
H.その他
●破廉恥
「さ。昨日の稼ぎだよ」
遣り手婆が娼婦達に稼ぎを配る。勿論借金を返し終った者だけに。
借金の無くなった後は、稼ぎの1/3は娼館に1/3が神殿騎士団に行く。残りが娼婦の手に渡る。
「あんたね。もう25だよ。貯えも出来ただろ。馴染みを口説いて、そろそろ足を洗ってもいいんじゃないかえ」
傍からロート・ブリレの見るところ。それなりに親身だ。
「あんたね。只でさえその子が生まれるまで休んでるんだよ。早く手放しちまいな。子供抱えて野たれ死ぬ積りかい?」
「で、でも…」
「今なら養子のクチもあるだろう。もう少しすると、この子も奴隷に為るしかないよ。それともアンドレ様のお申し出通り、子供共々飼われちまうかい? わしはそれでも構わないんだよ。でも、あんたは良いだろうけど、それじゃこの子が不憫でね」
きつい言葉だが、娼婦と赤ちゃんの事を考えている。
「アンドレ様?」
ロートは、未だ客を取っていない見習いの女の子に訊ねた。
「神殿騎士団の管区長様よ。遣ってる事はお兄さんと変わりないけど、たまたま為っちゃうお兄さんと違って、あっちは命令してやらせるの」
「オレ? オレと同じ位ってなんだよ」
「まんまよ。お兄さんは悪意無いだけましだけど」
破廉恥の人ロート・ブリレ。彼と彼女の最初の出会いは最低最悪のものであった。
しかし存外に彼女は好意的だ。あれから既に2度ばかり、似たような目に遇ってはいるが、ロートではなく間が悪いのだと考えてくれるくらいには好かれていた。
「なんでだよ。オレ何にもしてねーじゃん」
見習いの女の子は、余裕の笑みを浮かべて、
「あたし、お兄さんなら飼われちゃってもいいかなぁ」
ぴとっと背中に抱きついた。
「な、なななな。なんだよそりゃ!」
参ったね。いつの間にかモテ期かよ? いやいや。こいつ絶対遊んでるじゃん。
「へへ~ん。お兄さんって意外と初心なんだ」
「悪かったな」
仮にも娼婦の卵だけある。
「それは置いておいてよ。アンドレ様ってそんなヤバイ奴なのか? 神殿騎士って結婚も許されてなかったよな」
「その代わり、愛妾の10人や20人。囲ってるらしいよ。で、『甥っ子』や『姪っ子』を沢山産ませてるんだって」
「誰から聞いたんだよ」
「この街の隊長さん。あそこの姐さんのいい人よ」
見習いの娘は、そっと指し示す。純潔の誓いは在って無きが如しか。
それにしても管区長と言い、カエサリアの守備隊長と言い、明らかに下っ端ではない。前者は勿論、後者とて位階は騎士団の中でも高い方に位置するのだ。
余談ではあるが、嘗て隣国オクシタニアに属し副王都でもあったこの街は交通の要衝。そして傷を癒し万病に効くと言われる温泉。街の価値は決して低く無い。オクシタニアの王も、教皇様の直臣である神殿騎士団が管理し、誰でも主にある者ならば利用できると言う大前提の上に、名義がノルマン領であることを黙認しているに過ぎなかったりする。
「まあ、産めよ増えよ地に満ちよ。が主の祝福だからよ。人間が作った決まりなんてものより優先しても不思議じゃねーが」
ロートはこの傾向は組織ぐるみであるだろうと推測した。
●番所
昼。午前中を馬車の整備に費やした僕は、予定通り街の散策。多分監視しているであろうヴィユーヴィル侯の手の者を、逆に観察するためだ。ジュリーに案内させ、街中を歩く。ギーやカレンとは別行動だ。
街中の要所要所に交番のような小さな建物があり、前に槍の様に長い刺又を持ち、腰にショートソード程の長さの堅い木の棒を下げた番兵が2人立っている。
「ジュリー。あれは?」
「警士さん。乱暴する人や泥棒を取り締まったり、巡礼や治療者の道案内をする人」
詳しく聞いてみると、神殿騎士団に雇われた警官みたいな人達らしい。中々に人当たり良く親切で、聞けば街の名所を教えてくれる。
「ここから聖堂の横に小さく見えるのが、大浴場だ。湯浴みするだけならば20ヌンムス。奴隷に身体を洗わせるなら1フォリス。マッサージさせるなら2フォリスから5フォリス。身体を洗う泥が4ヌンムス。石鹸は1フォリスだったかな」
大浴場も聖堂も、古代帝国時代に建てられた物なんだそうだ。
説明していた警士の男が、
「おや。お前は確か…」
と、ジュリーをしげしげと見始めた。
「坊ちゃん。行こう?」
僕の上着を引っ張る。心なしか震えていた。




