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超最先端AI:ROJIN

作者: 秋月心文
掲載日:2026/05/22

 日本は、最先端AIの研究で、アメリカや、中国といった大国に遅れをとっていました。


 日本の国力回復の為、最先端AIの開発に取り組みます。

 しかし、AIの性能は、サーバーの能力に依存します。


 そして、サーバーの能力は、

 搭載されるAI半導体が、如何に高密度で最先端かに依存します。


 今の日本は、半導体で、一番ではなくなりました。

 そこで「最先端AI半導体」を使わず、実現出来ないか検討しました。


 その開発の為に、定年後の高齢者を、数十万人規模で大幅雇用しました。

 彼らの「知恵」と「知識」を積極的に取り入れる為です。


 こうして、世界的にも、超最先端のAI:ROJINが完成しました。


 高齢者:ロージンを、もじったような名前です。

 実際、彼らの貢献なくして、これは、完成しなかったのです。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 ROJINの性能は、

 アメリカや、中国の、それと比べて、何世代も先をいっていました。


 なぜなら、ROJINは、

 生体半導体という、彼らとは、別な技術で作られています。


 生体半導体(バイオ半導体)とは

「生物の仕組み」と「半導体技術」を組み合わせた技術です。

 バイオチップは、小さなチップ上に、

 DNA、細胞、酵素、抗体などを配置した装置です。

 ……という事を、対外的には、公表していました。


 実際は、この企業が採用した「高齢者の脳」が使われていました。


 様々な分野で、最先端の知識を持ってる人たちを、採用しています。

 故に、その知識が、そのまま、AIとしての知識になっています。


 普通の半導体ごときで、かなうハズがありません。


「高齢者の脳」といっても「脳」を抜き出しているのではありません。

 彼らの脳を「特殊な方法」で連結し、サーバーとしているのです。

 彼らは、脳の一部をサーバーとして提供しています。

 接続も、ワイヤレスです。


 ですから、普通の生活が出来ました。

 しかも、定年後の高齢者に、

 高収入の仕事が出来て、年金政策にも大きく寄与しました。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 当然、海外勢が、ROJINを、解析しようと試みました。

 ですが、まったく理解できません。


 理由は単純です。

 ROJINは、現代のAI理論では、動いていません。


 老人たちは、知っていました。

 高度経済成長期も……

 職人文化も……

 昭和の現場主義も……

 アナログ時代の知恵も……

 彼らは、現代人が失った「直感的最適化」を行ってました。


 つまりROJINは、デジタル技術ではなく“日本人の経験知”そのものでした。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 アメリカ、中国が、この事を知ってしまいました。

 日本の高齢技術者たちを、引き抜こうとしてきたのです。


 けれど、高齢者たちは、それに応じませんでした。


 彼らが欲しかったのは「日本で必要とされること」でした。


 こうして、日本中の高齢者が、国家再建の中心になっていきます。


 今になって思えば、

 日本は、老人を捨てた時から、弱くなったのかもしれません……


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 そんな中、接続された高齢者たちに、異変が起き始めました。


 記憶力回復……

 運動能力改善……

 老化停止……


 脳がROJINと接続される事で、神経細胞が活性化していたのです。


 高齢者たちは歓喜しました。


「若返った」


 けれど、切断すると、急激な老化が始まりました。


「急速に老けた」


 この事件は、大変、衝撃を与えました。


 契約している高齢者にも、採用してる会社にも……


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 元々、交代制の8時間労働で、

 8時間だけ、ROJINと接続する雇用でした……


 しかし、採用してる高齢者たちからは、

 常時接続に、変更して欲しいとの要望が寄せられました。


 繋ぎっぱなしでも、他の事が出来るし、寝る事だって出来る。

 繋ぎっぱなしで、何の問題があるのか……と。


 問題……。大ありです。

 ROJINへの接続は「労働」という契約になっています。

 なので、労働基準法に引っかかります。


 会社は、日本政府の与党に相談しました。


 その結果、

 ROJINとの接続は「特殊雇用」という扱いになりました。


 そして「特殊雇用」に限り、常時労働を認めると……


 会社は、現在、契約している高齢者を、

 24時間「特殊雇用」する、契約に結びなおしました。


 契約している高齢者たちは、歓喜しました。


 交代制だったのが、全員接続になった事で、

 ROJINの、AIとしての性能は、大幅に向上する事になりました。


 政府は、この技術を、国家機密としてきました。

 ですが、他国に、容易にバレてしまいました。


 ROJINとして、採用された高齢者が、多すぎたのです。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 世界中の富豪が、日本へ移住してきました。

 ROJINプロジェクトへ参加する為です。


「若返る」……その為です。


 これにより、ROJINは、

 世界中の富豪たちの、知識や、知恵も、手にしました。


 こうして、日本は、再び、世界有数の国に返り咲きました。


 世界中の富豪たちが、日本に寄与しているので、

 日本に、無茶な要求を、してくる国は、なくなりました。


 日本は、いろいろな面で「NO」と言える国なりました。

「NO」「脳(のう)」…あぁ、響きが似ていますね。

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