宝石のガワ
ヲタは幸せの価値観が違うのだ。
社会的成功や美醜とか、人からどう見えるか評価されるかに全く価値が無いのだ。
最も優れた美しいモノは心の中にあるのだ。
自分はその宝石の包装紙、入ってる袋でしかない。
バナナは中身が美味いのだ。バナナの皮が着飾ったり
形で競ってたらバカバカしくないか?
食べた味が勝負なのに。
と、世の優劣や美醜を見てて思ってたりする。
経営者の家に生まれたからこそ、誰かの人生に責任を持つ辛さ苦労を見てきた。
社長なんか成りたくない!絶対ツラいから!
「…姉さん、話してて噛み合わないなと思ってたのは、そういう部分かも?」白蘭も覚えがあるようだ。
入社した姉はあまり楽しそうではなかった。
唯一ユニバーサル居酒屋を提案して作り出した時、生き生きしてた。
それは自分の内側にある世界を形にできる喜びがあったからだ。働く事自体に確かに喜び感じてなかった。
キャリアウーマンの叔母に良く叱られてた…
「僕は…お姉さんの人生を奪ってなかった?」白蘭が聞く。
「ごめん。奪いたくても奪えないよ。お姉さんの中身はお姉さんだけの王国だから。」申し訳なさそうに潤が答えた。
「そうか…姉さんは幸せだったんだ。」白蘭は潤をまた抱き直した。
「そうだよ!叔母さんも居るしお父さんも居るし、継母は怖いけど、そのお陰で可愛い自慢の弟も居るし。
毎日のご飯に困らないしお風呂も入れるし、仕事もあるし。通販で好きなもの買えて、漫画も映画も動画も見放題。
人生に不満は無かったと思うよ。」白蘭はずっと潤の肩に顔を伏せて泣いていた。
結局すっかり日も暮れてしまった。
「いっぱい話せてスッキリしたよ。潤さんの考え方が1番姉に近いと思う。発言が似てる。
姉さんは説明なしでバーッて話すから、全然分からなかったけど。」白蘭がやっと潤の身体を離してくれる。
『あれ?なんかこのまま帰してくれるの?』潤は驚く。あごを持って軽くキスをした。
「また…鬼丸とダメになったら、僕も候補にしてね。
それまで待ってるから。」と本当に帰された。
毒気が抜けた白蘭がそこに居た。
帰ってきた潤を鬼丸が迎える。
事務所の玄関で抱き締められた。
「元々オバチャンだし男性経験も豊富なんだから。
処女みたいな事言って、俺から去らないでね。お願いだから!」鬼丸は言葉を選ばない奴だ…
「ウグッ!」と声を出して廊下にうずくまった。




