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中目黒ゴースト  作者: たま


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貢ぎ物

連絡を受けた鬼丸に速攻白蘭の元へ行けと言われた。

ひどいブラック社長だ。

潤はショックを受ける。好きだと思ってたのに…潤だけだったか。

皆は、卓球バーの移転や他の準備に忙しい。

トボトボと白蘭のビルへ行き裏の警備室に知らせる。

警備員と共にエレベーターを上がる。

「いらっしゃい。会いたいからサクサクと決行日吐いて貰いましたよ。」白蘭の方が優しく感じる。

「ごめんね。大変だったでしょう。難しいお願いして。」ソファにも座らず潤がお礼を言う。

「いや…アイツは鬼丸は思ってた以上に出来る奴だよ。」白蘭が苦笑する。

「どこが!私を売ったのよ!私があんなに苦しんで悩んでたのに!

いとも簡単に!」潤が涙がにじむ。

「ちゃんと苦しんでくれた?痛い?ツラい?」なぜか白蘭はとてもうれしそうだ。

この人は…1人でずっとこの状態なんだろ。ずっと泣いてるのかもしれない。心が。

だからママが心配して離れられなかった…溺れた。

何となくこの人の魔力…いや、問題点が分かった。

「彼は頑張ってるよ…アナタを失いたくないから最善を尽くしたと思うよ。僕の反対だ。」白蘭がソファに深く沈む。

「僕は…アナタを追い込むことしか出来なかった。

でも、鬼丸はアナタを楽にした。

今、ガッカリしてるだろうけど気持ちは楽でしょ?」白蘭が寂しげに聞く。

確かにそうだ。板挟みだからツラかった。でも板に挟まれてなかった。片方は押せば動いて引いた。

「僕には出来ないよ。そんな事。

アナタの気持ちが楽になる事を優先するとか…人間まず自分の気持ちだろ?」

白蘭が優しい顔になった。

いや、もともと涼しげで優しい顔つきなのだが、どこかキツくて怜悧な感じだった。

「こっち来て」白蘭が座ったまま両手を広げる。

『とうとうだ!ごめん!鬼丸!いや、もうそんな義理は無いのだ。ただの社長と部下だ。』と自分に言い聞かせる。

フリーでイケメンに誘われてるだけだ!

近付いた潤を白蘭が抱きしめる。

ジワジワと強くなる。この人、意外に腕の力が強いのだ。料理人とか画家とか意外にマッチョが多いのだ。

「…おかえり。」白蘭がなんか倒錯してる。

亡くなったお姉さんが生きてたら多分話から同世代だ。「ずっとツラい目にばっかり遭って最後は惨たらしく殺されて…お姉さんは幸せだった?生きてて辛くなかった?僕が生まれて本当に良かったの?

お姉さんを苦しめるために消すために生まれたのに?」ますますキツくなる肋骨がきしむ。

「苦しいって!また殺す気ですか?

あのね、ヲタは妄想してれば幸せなのよ。妄想できる環境なら特になんも不満はないの!

社会活動より部屋で引きこもってる方が幸せなの!

お姉さんは全然不幸じゃないの。

なんなら会社引き継いでお父さんの下で修行してた方が辛かったよ!

社長なんて!金策で首回らなくて、最後は首吊るか?

当たるか?人生ギャンブラーみたいなのが、ヲタには1番キツイの!」殺される!結構顔に似合わず厚い胸板をバンバン叩く。

「それ、本当?」白蘭がやっと腕を緩めた。

「そうだよ!お姉さんは、会社経営なんてアンタに早く譲りたかったはずだよ!

アンタが大きくなるまでの繋ぎの気持ちだったはずだよ。ヲタに人の人生背負うなんて!

従業員すごい数でしょ?その人達に毎月お給料あげてボーナスあげて、賃貸暮らしで家賃払うのだって面倒くさいのに!

そんなの絶対しんどいでしょ!」白蘭が目を丸くする。が、姉もそう言いそうだ。

ズボラでメイクもしなきゃザンバラ頭で出掛ける人だった。車椅子なって指無いのを良いことに余計身なりに気を使わなくなった。叔母と白蘭で最低限の身なりを整えた。

だいたい出不精だったし。

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