苦悩
人は勘違いしてるが、警察は未然に防ぐために動かない…いや、動けないのだ。
「人権を守る」ためだ。未然の嫌疑で誰も拘束事情聴取は出来ないのだ。
鬼丸は捜査の最前線にいたが、いつも事後なのだ。
死体とご対面する事になる。被害者から、生前に相談を受けてる話を聞くといつも苦い思いをした。
探偵になって、やっと事前になったが!
これがいかに難しいか知る。
西郷山菅刈公園の事件を未然に防げたのは、本当に運が良かっただけなのだ。
それ以外惨敗してるのを見ても分かるように…
もし鬼丸が先に手を打てば、相手はその隙を狙ってくる。永遠のイタチごっこだ。
元を絶たないと終わらない。
「仕方ない!白蘭に談判するか!」鬼丸もそこにたどり着いてきた。白蘭がリオン電機の話に乗らなければ事故は起きないのだ。
潤は言葉が出ない。
鬼丸を1人で送り出した。
鬼丸も知るだろうと。
「彼女から聞いてないの?」白蘭から反対に質問された。
中目黒の駅前のビル群の地主であるワールドダイニングの社長の白蘭にリオン電機の誘いに乗らないようお願いしに鬼丸は来たのだが。
「へっ?いや、潤さんは何にも…」鬼丸が驚く。
「ふ〜ん、何で言わないんだ?」白蘭がこめかみに手を当てて考える。
言わないのは反故する気なのか?
彼女にそんな事ができるのか?甚だ疑問だが。
「彼女が僕と一晩でも寝たら、リオン電機からの話は断ると言ったんだけどね〜」白蘭がイスでクルッと回る。
「おまえ!」鬼丸が思わずソファから立つ。
がまた座った。
「お前って…本当は不器用な男なのか?
そんなヒール役やらなくても、もっと真摯にぶつかる方が良いぞ。潤さんみたいなタイプは。」鬼丸は成功者として上から目線でアドバイスする。
「オイッ!なんかカチンと来るなあ〜そのもの言い!」白蘭が口をへの字に曲げる。
「俺的にはお前と兄弟なるのも悪くないよ。
一晩?二晩?くらいなら譲るぞ!それで駅前の人達の命が助かるなら!
でも…ずっとは悲しいかもなぁ〜」鬼丸も悲しそうな顔になる。
「ハア〜ッ、お前相手だと面白くならないなあ〜
食えない奴だとは感じてたが。」白蘭は頬杖ついて外を見る。
「まあ、潤さんは違うだろ。一晩でお前の元に戻る事はなくなるよ。あの人にはムリだ。
一生、お前に負い目を負って生きるのはムリだからな。」白蘭がそう言うと鬼丸も顔色が変わる。
「そうか!あの人、ヲタなせいで妙に潔癖なんだよ!
男ヲタが嫁は10代か20歳まで!ってほざくのの反対で純潔への拘りキツそう〜
すでに穴だらけの40代なのに!現実見えてなさそう〜」とさすがどストレート男の鬼丸が潤が聞いたら股蹴り入れそうな事を言う。
「ウワワワワ〜ッ!お前、◯◯玉潰されるぞ!ホントに!」と白蘭の方がビビった。




