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中目黒ゴースト  作者: たま


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移転

「エッ、じゃあ目黒に移転するんですか?」翌朝コーヒーを淹れるとソファでまだ寝ぼけながら鬼丸がうなづく。

「うん、長谷部くんと希美ちゃんに目黒に移転して任せなよと提案したんだ。

それだと店から帰宅の足なくても大丈夫だし。」鬼丸は基本パンツしか履いて寝ない。すごい暑がりなのだ。

特に潤が居る時は暖房入れてくれるので余計に暑いらしい。

今もパンツにTシャツしか着てない。

潤は暖房入ってても寒くて大きな鬼丸のスエット上下を借りてる。それでも寒くてダウンコートを肩に羽織ってる。

スリッパだけはいつも自分用にフカフカモフモフのを置かせて貰ってる。

「でもオーナーは引退してどうするの?」鬼丸に暖かいブラックコーヒーを渡す。

「フフッ、メキシコでゆっくり2人でセニョール探しに行っといで!と言っといたよ。

日本のアニメやプロレス好きが多いらしいから。

プロレスもセニョールに普及しておいでって吹き込んだの。

だいたい今でもオーナー、店で邪魔してるだけだしね〜

長谷部くんはシッカリしてるし、目黒店なら厨房もあるから希美ちゃんも腕ふるえるしね。」鬼丸がうまく丸め込んだようだ。

やはり日本では、2人には狭すぎるのかも?

世界へ婚活旅へ出るのが正解かもしれない。


「そうかあ〜じゃ、日立さんこれで一安心だね。

職場からも近くなるし。」潤としても少し安心だ。

「でも店が無くなっても、あそこが火元になる可能性が消えた訳じゃない。

ちょうど3番地の真ん中だからね。どうやって守れば良いのか…」鬼丸があごをさする。

そうなのだ。機械室入り口がちょうど隣のリオン電機の立体駐車場と隣同士だ。

なんなら部屋の小さな換気窓は、駐車場向きについている。

小窓割られてタバコの火を放り込まれたら…それだけでも危ないのだ。

店が無くなれば、余計に人目が無くなる。

「店が移転したら防犯カメラつけてもらって、ウチにモニター付けるか?とにかく。」鬼丸が腕組んで悩む。

「でも、なんでそこまでするのか?聞かれたら?」潤が聞く。

そう、オーナーには狙われてる事を話して無いのだ。

「でも聞いたら、速攻乗り込んで苦情言うよなあ〜?あの人だと。

証拠も無いのに。」鬼丸がうなだれる。

潤はそんな様子を見ながら…覚悟しないといけないのだと自覚する。

リオン電機の土地はタワマン用地にするには小さ過ぎる。周りのビルも退かないと建ぺい率の問題で高い建物が建てれないのだ。

その為には、白蘭の協力が必須なのだ。

白蘭が協力しないなら、爆破する意味が無いのだ。

この仕組まれた事故を止めるには、最も有効な手段なのだ…

「どうしたの?潤さん?潤?…」「ああ〜はい、ごめん!ボーッとして!」鬼丸に何度か声を掛けられて、やっと潤が我に返った。

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