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中目黒ゴースト  作者: たま


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10代

10代でもあるまいし、この歳なって恋で涙を流すなんて!

この恋を貫けば、一生背負う心の傷があまりにも過酷だ。だったら、捨てるしかない。人の命と比べられるものじゃない!

でも…失いたくないのだ。たった半年前は知らなかった人なのに!

ドラマにハマって勢いで会社やめて、仕事も探さなきゃいけなくて、川のそばだから…とそれだけで探偵事務所に入ったのだ。

ジャージで股間に手を突っ込んでそのまま握手したのが、鬼丸との出会いだ。

まさか、こんなに好きになるなんて!

思いもしなかった。

白蘭の事件を追う内に男女の仲になり、またそのうちどうせ嫌いになると思ってたのに…こんなに好きになるなんて!

「…本当に嘘みたい。あんな最悪の出会いだったのに。」潤は泣きながら笑いが込み上げる。

「あれ?潤さん?まだ家帰ってなかったの?」鬼丸が帰ってきたのだ。

暗闇で涙は見えないはず。大急ぎで拭って「寒さの限界に挑戦してた!部屋より川音すごく聞こえるし。

この音が好きなんだよね〜

子供の時もずっと川音聞きながら寝てたから。」大水の日は恐くて寝れなかったが、いつもは水音が耳の底に流れてた。

家の風呂が壊れて銭湯まで川沿いを通った。

意外に小学校のクラスメートに会えたり学校よりグッと距離が縮まったり。

たこ焼き屋さんが2人でずっと眺めてたら、くれた♪

2人でホクホク食べながら親が銭湯出るのを待っていた。

いつも生活の中に水音が聞こえてた。

「そう?寒いよ?もう部屋戻った方が良いよ。」鬼丸が手を差し出すと潤がしがみつく。

「じゃあ、暖めて!鬼丸が暖めてよ!」腰に手を回して密着する。

「つい半年前くらいにそこで股間蹴られて転がってたのにな、俺」鬼丸も感慨にふける。

「急に襲うからよ〜まだまだ風呂も歯磨きもいい加減であの汚部屋の住人だったんだから!無理だよ!」潤が鬼丸の腕の中でクスクス笑う。

「…朝まで居る?」鬼丸が聞く。

そう馴れ合いたくないので、結構帰ってしまうのだ、潤は。

「うん…今夜はずっと側に居たい…」鬼丸の胸に顔をうずめた。

もう、この時間には2度と戻らない。半年前以前に戻ってしまうのだ。

別れて事務所に居るのは、拷問だ。潤が耐えられない。中目黒のどこか…鬼丸が来ないような奥まった場所に引っ越そう。

そうすると白蘭が近くなるか?

だめだ、もう中目黒を離れた方が良いのか?

唇を重ねると舌が入ってきて、舌と舌が重なる。そのまま動かさない。

さっきお互いが食べてた物の味がする。

こんなに近いのに!

まるで自分みたいに近いのに!

離れなきゃいけないのか?

鬼丸が潤の後頭部を手で包んで舌がもっと奥まで入る。

鬼丸は深いのが好きだ。

息が続かなくなって潤がもだえる。

すると腰に回した手がキツくなったが、顔は離してくれた。

「今夜は朝まで離さないし逃さない。」鬼丸が普段帰してくれるのは我慢してるのだ。と分かった。

こんなに離れたくないのに…離れなきゃいけないなんて!ムリだ!でも…人が死ぬ、離れなきゃ!

昔と同じように耳底には川音が聞こえていた。

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