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中目黒ゴースト  作者: たま


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詭弁

「なんて言ったんですか?」リオン電機で門前払いを食らうと思ってたのに、なぜか待てと言われた。

「一体なんて言ったんですか?」潤が驚く。

「そのままですよ〜卓球バーのオーナーが命を狙われていて警察と探偵に調査を依頼したと。」鬼丸が涼しげな顔をしている。

「それでどうリオン電機と絡むんですか?」潤が心配する。

すっとリオン電機の常務の名刺を出す。

「これは…」潤が驚く。 

「フフッ、卓球バーのレジ周り漁ってたら出てきたんだ。きっと昔来たんじゃないか?寮の下のリフォーム会社も建築会社も下請け会社だからね。

接待でリオン電機の偉いさんを呼んだんだろ?

と言うか、出入りして卓球バーは使えると思ったんだろな、昔。」確かに中の様子を知らずに使おうとは思わなかったろう。

見て、これは危ないなあ〜と思ったのかもしれない。

「まあ、爆発があった時、知らない存じないとは言えませんよ、これでね。

そのうえで出入りしてる人を片っ端から伺ってると言ったのです。

断れば、後々警察に怪しまれるますからね。」鬼丸は、何も考えないようで詰め技が本当にしっかりしてる。

「お待たせしました。」名刺の人物が訪れ、2人を伴って社長室に入る。少し顔色が悪い。

「少しお話を伺うだけで良かったのですが…わざわざ社長まで!お忙しいのに申し訳ありません。」警察時代はもっと横柄だったろうが、探偵になって5年で鬼丸は丸くなってる。

「いえいえ、まさかバーにうちの常務の名刺があったとは、知りませんでしたよ。君、行ってたの?」社長がかなり年上の常務に聞く。

「はい、もうかなり昔ですが。建築会社の接待で、はい。でも店のオーナーに渡した記憶は無いんですが…」 ハゲた額にすごい汗だ。ハンカチで拭っている。

「いえいえ、同伴されてたパブの女性に渡してたそうですよ。でも、その女性が置き忘れて帰ったみたいで…す。」鬼丸が確実に仕留めに行く。

社長が咳払いをする。

建築会社が接待用に呼んだパブの女性に渡したが、女性からは相手にされていなかったようだ。

「それで卓球バーのオーナーさんは大丈夫ですか?」社長が話を切り替える。

「いえいえ、怖がってすぐに三軒茶屋署に相談しに行ったそうですよ。

警察としては、何も起こってない段階では動けませんし。また何か変な事があったら知らせてくれと言われたそうです。」かなり話が改変されてる。

鬼丸が相手を追い込む体勢を見せているようだ。

「私共の事務所にも、誰かに恨まれてるのかもと心配して相談されました。名刺を頼りにお話を伺って回ってる最中です。」もう全く聞いたことない話に変わっている。

相手に確認のしようがないのを良いことに言いたい放題だ。潤は呆れる。

「そちらの女性は?」社長が潤の顔をチラッと見る。

「警察やめたばかりの人ですよ。ウチに入社したばかりで。一般の方を相手する部門では無かったので、まだまだ修行中です。口の聞き方もまだまだ勉強中で…」ワザと怖がらせるような言い方を!

鬼丸の詭弁(きべん)が冴える。

「そうなんですね?もしかしたら…殺人犯とか?会ったりされてた方ですか?」社長が未知の世界で興味を持つ。

「最近では…知人を撲殺した女性ですかね?興奮して暴れるので落ち着くまでかなり時間掛かりました。

バット使えば女性でも男性が殺せるんですよ。

毎日どこかで殺人があるのが東京ですし、珍しくありませんが。」出血大サービスでお話する。

「ヒャアアアア〜怖いですね〜」社長が震える。

「怒らせて殺されてたら命が幾つあっても足りませんよね〜」と潤も笑った。

なぜか社長も常務も引きつり笑いをして終わった。


「これで良かったんですか?」帰り道に潤が聞く。

「良いんですよ。ハッキリ話さなかったけど、バット殺人であちらもどの事件か分かるでしょうし。最近だから。」鬼丸がクスクス笑う。

ついバーのオーナーに犯人が似てたので話してしまったが。オカマの怒りって女より1000倍恐いのだ。

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