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厄介

「ガスかあ〜厄介だな〜」元警察の2人は頭を抱える。火事も厄介だがガスも厄介なのだ。

結局ガスがどこから漏れたか、まず証拠が爆破で分からないからだ。

もうヤラれたら終わりだ。

消防署からも毎回怒られてるし、

事故現場が卓球バーである以上、オーナーの落ち度になるのだ。

「絶対阻止しないと…だが、卓球バーにずっと張れる訳ないし。」2人で悩む。

オーナーには話してない。怒って証拠もないのに会社に殴り込みに行きそうだ。

「誘い込んで現場で抑えるしかないんですよね〜

どう思います?人を使うか?自分達でやるか?」潤が質問する。

「プロを使わないと思う。この話が大金動くと読まれるから、ずっと脅されて金をせびられる結果になる。

隣が自分達の敷地だ。多分コチラからは何かしてくるつもりだろう。」鬼丸が地図を見ながら話す。


まだ脅迫状だけの方が楽だった。

本当に面倒な話になってきた。

いや…もしかすると、あのマンションの通路に並んだ死者の群れは新しい仲間を待っているのかもしれない。

あの地はそういう土地なのだ。

渋谷と同じだ。

「あの地が人の血を欲してるかもしれませんね〜」潤があのマンションに入った最初の日を思い出した。

「おいおい、やめてくれよ〜オーナーがせっかく楽しい場所を提供してるのに〜

俺らで何とか止めよう!」鬼丸が意外と面倒がっていない。

何なら脅迫状の時よりやる気が出てきたようだ。

「日立さんには感謝してる。死人しかいない現場ばっかりだったからね。

死人を出さないための現場に巡り合わせてくれて。」

そう鬼丸の警察での仕事は事故後の現場ばかりだった。

今はやっと事件前なのだ。

日立さんのおかげで。

「日立さんは大丈夫でしょうか?」潤が不安になる。

「殺しのプロ達じゃないし、下手に社内で死人が出たら怪しまれる。

それに日本じゃ会社は絶対だから。社員だと言うだけで口は生きたまま封じられると思ってるさ。」鬼丸の考えは当たっていると潤は感じる。

日本の男は、会社の奴隷だ、確かに。

「ここからは、俺の仕事だ。日立さんから、俺にもう引き継いだ。彼は無理しなくて良い。」

なんだか…この探偵事務所に来て初めて鬼丸から後光が射してる。

彼が警察辞めて探偵になったのは、この日のためなのかもしれない。

「潤がさ、ココに俺の所に来たのもきっと俺の幸運だと思う。潤が居れば、この山越えれると思うんだ。」ショコラティエドラマにハマって会社辞めて中目黒住んだだけなんだが…

「同期に聞いたよ。潤さんは賞取り人だって。留置人のどんな嘘も見抜くって。」鬼丸がなんか期待してる…

どいつだ?要らない情報を鬼丸の耳に入れたのは?

「違和感を感じるだけですよ。小麦粉アレルギーだと言ってるのにハンバーグ食べてたりしたら。」潤が唇を尖らす。

「…?分からない?」鬼丸がハテナになってる。

「チッ、だから警察馴染まなかったんですよ〜皆ザツなんだから!

ハンバーグは、ミンチ肉と卵とパン粉と玉ねぎのみじん切りが基本なんですよ。

外食するなら、小麦粉アレルギーの人は絶対食べません!

だから、ハンバーグ弁当を2度目渡さないで魚に変えるわね。って引っ込めるんですよ。

そうすると、1度目にしたハンバーグに気を取られて

実はパンが嫌いなだけで食べられない訳じゃないと、自分から吐いてくれるんですよ。

弁護士が絡んでるから、必ず自白がいるんです。

ハラルならお菓子でグミ類食べれないんです。ゼラチンは動物性タンパク質だから。

それを注文してる時点で、ニセハラルなんです。

警察って、そういうの本当雑で!」鬼丸がキスで口を封じる。

「やっぱり幸運の女神だよ。潤は。」鬼丸が黄色じゃなくなった歯を見せて笑う。


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