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水害地

列車事故が起こる前から中目黒は頻繁な水害地だった。

なぜなら都内屈指の暴れ川、目黒川と蛇崩川の合流地点だからだ。

潤が中目黒に惹かれた遠因は、ドラマと昔奈良の竜田川沿いに住んでたからだ。竜と蛇の名は、人が死ぬ川に名付けられる名だ。

奈良ではそれを聖徳太子の涙と言い、大雨が降る度村が流され生贄のように人が死んだ。

中目黒駅前、今は巨人の名を持つタワマンはその水害地の人の住まぬ土地に建てられたのだ。

住んでた人も家も全て流された土地だから開発できた。つまり、何千年の砂州いや川の上立っているのだ。

人間の英知と自然の脅威の最前線の戦場だ。

あのタワーが傾く時、人間の敗北が決まる。


白蘭の父は、まだ自然災害に苦しみ続けていた中目黒を大雨の度に家財が浸水し生活出来なかった時代に

駅前の土地を買って災害に遭った人にお金払っていた。

使い道もままならない。

なぜなら台風が来る度、全て流されてしまう土地だ。

住むことも商いもままならない土地だ。慈善事業のようなものだった。

目黒駅付近くらい川幅があれば、氾濫しにくいのだが、中目黒だけは低地で川幅がない上、蛇崩川との合流地点で雨が降る度 氾濫し続けるのだ。

白蘭の姉が生まれた頃、やっと治水工事がなされた。

鬼丸のマンション地下深くに巨大貯水槽が設置されたのだ。

ゲリラ豪雨の度に地下の巨大貯水槽に目黒川と蛇崩川の水が流れ込む仕組みにしたのだ。

おかげで鬼丸や白蘭が大人になる現代まで駅前の氾濫は無くなった。

空き地はタワマン予定地となり、川の反対側も残った家々がマンションを建てた。その1つが卓球バーやママの赤いバーだ。鬼丸の祖母も同時期にマンションを建てた。

都の治水工事を信用して建てたのだ。


だが、この数年2023年くらいからゲリラ豪雨が極端になってきて、その地下の巨大貯水槽すらギリギリだと言う噂が囁かれている。

白蘭の父と同じように電機会社も駅前の使い道のない土地を災害に遭った人から買っていた。

先代は白蘭父と同じく篤志家(とくしか)だった。

白蘭父はビルを建てたい人に貸し、電機会社は立体駐車場などにして運営してきた。

が電機会社も息子の代となり、川の上に建つ巨大タワマンがとんでもない価格で売り出され、今も高騰を続けている状態に色気が出てきたのだろう。

ワールドダイニングの白蘭に話を持ち掛けてきたのだ。

昨年の自由が丘の浸水は、中目黒に流れ込む蛇崩川の氾濫によるものだ。

白蘭の父も電機会社の先代も中目黒の氾濫被害を目の当たりにしてきた世代は中目黒駅前の開発には積極的ではなかった。

しかし、経験者でない電機会社の現社長も白蘭も見てきたのは巨大タワマンだけだ。

3次世界大戦と言われ株も儲からなくなった現代、中目黒の巨大タワマンの川向いの土地を分散する形でも所有してる2社には、特に伸び悩む電機会社には魅力的な投資話なのだ。



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