NTRの流儀
白蘭は思う。
世間は勘違いしてるが、ネトリにも流儀があるのだ。
それはネトル相手へのリスペクトだ。
男に騙されて「奥さんより愛されてる、私」なんてのはネトリと言わない。ただの悪食だ。
友の彼氏(女)を寝取ることこそ!
真髄なのだ。
最初は要が気になったのだ。バーを間借りしてカレー屋してる。そしてカレー仲間と切磋琢磨しながらカレー村を形成していってる。
なかなか見所のある男だ。人望もある。
で、そんな彼の人生の分岐点となった女性がママなのだ。
そう、そこで起きた化学反応に興味があったのだ。
つまり高額当選の宝くじ売り場みたいなものなのだ。
あやかりたいから、寝取るのだ。
ところがだ。結局それは「要だから」なのだ。
手に入れたママは、どんどんつまらないただの女になっていく。
なんなら自殺したメンヘラ彼女とソックリになっていく。要とママの間に起きた奇跡は、自分とママの間には起きなかった。
1人に戻って淡々と仕事こなしても、人ばかり幸せになる。誰も白蘭を幸せにしてくれない。
また要みたいに気になる男が出てきた。
不思議なオーラをまとってる。その輝きの元になる女が傍らに居た。
ゲリラカフェに誘導すると面白い女だった。
ママが叔母に似てたが、この女は姉自身に似てる。
白蘭が幸せになれる空間は、叔母と姉のそばだった。
母に殺されてしまって、もう居ない。
母を消しても叔母も姉も戻ってこない。
「僕には…希望が必要なんですよ。あなた達には迷惑だけどね。」潤と鬼丸を思い浮かべてほくそ笑む。
要が裏で白蘭の演出したのは…ママを守るためだ。
魔法に興味持てば、僕がママを捨てる。
僕が離れればママは長生きできる。
要は頭の良い男だ。僕の興味が薄れる事が、ママを生かす最良だと読んだ。
要なら白蘭を毒殺する事も出来たろうがママのためにも、そしてあの地域の為にもワールドダイニングの後継者を殺すのは得策じゃなかった。
「ジョーカーを握ってるのは僕なんだよなあ〜あそこら辺の。」中目黒駅ごしに明るい駅前の飲み屋街のネオンが見える。
「魔法は消えたけど、人を殺すことはまだ出来るんだよ。」白蘭がうっとりと死霊が集まる気配を楽しむ。
白蘭の世界には絶望しかない。
なのに存在する世界には、まだまだ未来や希望や幸福が残ってるのだ。
なんなら、その幸せを作るのが仕事だ!皮肉にも!
だからこそ!プライベートは絶望を生み出し続けたい!
この頃、すっかり良い子になってしまって…つまらなかった。
会社には投資話が来ても白蘭の前で止めて貰っていたが…拾って読むと…なかなかきな臭いのが来ていた。
「それで駅前が物騒なのか…ああ〜人間って醜くて良いなあ〜放っといても醜くよどんでくれる。」




