理由
無頼なジャージに無精ヒゲが功を奏したのか?
肉食女子もホモもギラギラがそげた。
そこに卓球好きのリーマンがやっと現れた。
2人の噂を聞きつけて対戦を挑んできた。
肉食女子改め梅さんにもアッサリ勝ち、オーナーにも勝ってしまった。
「仕方ない!今日の戦利品は譲るわ」と鬼丸が差し出される。
奥のラブソファ席に並んで座る。
「あの…卓球したかっただけだし、なんでアナタと並んで座る事に?」卓球リーマンはおどおどしてる。
「ずっと2人の対戦の勝者にセクハラされてたんですよ〜良かったら触りますか?」アソコを2重ガードしてる鬼丸は堂々と身体を開く。
「いや、僕ノーマルなんで大丈夫です。」卓球好きリーマンは顔を横に振る。
長谷部くんがダイキリを2つ置いてくれる。
「僕、お酒あんまり飲めないんです…」と遠慮したが、「オーナーのおごりですよ。戦利品です。」と勧める。
ものの数分でフラッとしたリーマンに鬼丸が聞く。
「会社近いんですか?オーナーも梅さんも顔覚えてましたね。常連さんですね。」と気さくに話す。
「珍しいですよね、お酒出す場所で卓球とか。
学生時代やってたので、あの頃は毎日卓球するのが当たり前でしたが、大人になると機会少ないもんですね〜」と懐かしそうに話す。
「これ、酒飲めなくても美味しいですね。」リーマンが驚く。
「ほとんどライムジュースらしいですよ。爽やかで甘酸っぱいですよね。」と鬼丸も口をつける。
ただしベースはラム酒だ。50度ある。
リーマンはかなり酒弱らしく両手をソファにつく。
「ふう、久々来たけど、オーナーも女性もあんなに強かったって知らなかった。
いつもふざけてたから。」本気でラリー出来て楽しかったようだ。
「本当に強い人って、なかなか本気出しませんからね。今日もいつもより5割減な感じでした。」鬼丸がチクるとリーマンがまた驚く。
「エッ!じゃあ勝った意味が無いじゃないですか!
クソッ、またチャレンジしたいな!」オーナーと梅さんの方を見てにらむ。
今日は仕方なく2人でカウンターで飲んでる。
この2人は酒も強い。
制服好きなのだろう。男の反対で、軍服やお巡りさんや背広に萌えるのだ。
一部女子は宅配ウェアも話題になってる。
潤がワザと外した格好させた意味が分かった。
「分かりました。俺から言っときますよ。ツボは分かるんで。」鬼丸がニヤッと笑う。
「もう、かなり酔ったし帰りますよ。また、リベンジしないと!」とリーマンが立ったがよろけてしまう。
そりゃ、そうだ。50度の酒に口つけたのだ、弱い人間が。
潤のお父さんはテキーラ飲んで風呂入って亡くなったそうだ。向いてない人間にはヤバいのだ。
「送りますよ。危ないので。俺、この近く住んでるんで。」とリーマンに肩を貸す。
リーマンは遠慮したが、とにかく足に来てしまってる。
「すみません。僕も近いんですよ。まあ、社宅ですが。中目黒なんて借りて住んだら給料吹っ飛びますからね〜」と笑う。
「本当にこの頃の家賃オカシイですよね!もう働いてる人間住めないですよ、東京に。」鬼丸も合わす。
大家側だが、それでも気が引けるくらい相場がバカ高いのだ。
借りてる人は法人ばかりだ、おかげで。
本当に近かった。卓球バーの1つ置いた横のビルだった。1階がテナントで2階3階もリフォーム会社と建築会社が借りてる。
4階から上が会社の独身寮のようだ。
「部屋の前まで送りますよ。」鬼丸がリーマンを支えてエレベーターに乗る。
「日立です。」急にリーマンが名乗る。
用心深い質なのは、すぐ分かった。
なのであまりコチラからは聞かないようにしてた。
「あっ、良いのに。俺は鬼丸です。本当にご近所さんです!中華屋さんでも会ってたかもしれませんよ。」と話題を振る。
「あっ、道路の向かいのですね!あそこ、安くて美味いですよね〜3時間しかやってないから並ぶしかないけど!」独身リーマンならお世話になってるだろうと。
「入りますか?」なぜかリーマンの方が積極的だ。
「ダメですよ。危ないですよ、そんな事しちゃ!
今度バーに来たら本気出すようにあの2人に言っときますよ!」と玄関で別れてエレベーターで帰る。
部屋の中がチラッと見えたが、鬼丸みたいな汚部屋ではなく普通の部屋だった。
とにかく勤め先と名前と住所を一気に手に入れた。




