斡旋
「ハア〜ッ、多分イタズラだって事で降りたいなあ〜」事務所に戻り鬼丸はネクタイをゆるめて椅子をクルッと回す。前の目黒川の桜のツボミはまだ硬い。
2月前なのに寒さが厳しい。まだまだ春は遠い。
ボディーガードなんて引き受けたら、絶対身の保証は無い!こちらが!
「すいませ〜ん、遅くなりました。」帰りにコンビニ寄りたいと潤と別れた。コンビニ袋下げて帰ってきた。
「さっきの要さんと鬼丸さんの話が気になって…実はもう1回、防犯カメラ見せて貰ったんですよ。
そしたら、男性で帰りに手袋して出てたのは1人でした。
女子は、挙動の変だった女性も含めて全員はめてたんですが。」潤がメモを出す。
「そうか!家から出る時はしてても飲み会で酒飲んで遊んでからだと女性はちゃんと手袋はめても男は出てからしばらく寒い!と感じるまでしないか!」鬼丸は席を立つ。
「はい、几帳面な人なら男性でもしそうですが、あそこは駅から徒歩で1.2分です。また手袋外さないといけない可能性もあります。
冷え性が多い女性はそれでも必ずしますが、基礎体温が高い男性はほとんど手袋しないで駅まで向かうと思います。
試しに帰る部分を見せて貰ったら、男性で手袋してたのは卓球の上手いリーマンだけでした。
女性とこの男性に絞って見張れば、尻尾掴めるかもしれません。」潤がメモ見ながら親指立てる。
「スゴいよ!潤さん!」鬼丸が潤をハグする。
「でも…ごめんなさい。オーナーが交換条件としてバーで張るのは鬼丸さん1人で行くことに…なりました。」腕の中で気の毒そうに鬼丸を見つめる。
「…そんな…」まさかの潤に売られてしまった。
鬼丸の貞操が危うい。
「ドンマイ!」元腐女子の潤はニッコニッコで鬼丸をはげます。
「私を守ってもらうためだから、飲み代要らないわ〜
好きなの頼んでね。」オーナーにウインクされる。
いつ来店するか分からない2人を張って待つ。
潤に売られた!と文句を言ったら、実は初彼が男と浮気されて、現場まで見てしまったトラウマがあるらしい。男に乳首舐められてヨガる彼氏を見てしまったそうで…
まさかの初恋敵はマダムパープルあだ名された男の先輩だったそうだ。
「だからね。相手の誘惑で落ちちゃう人なら今の内にスパッと切れた方が良いと思うの。
長く付き合った後だと心の傷が深くなるし!」だそうだ。
おかげで後どれだけ男に浮気されても、相手が女と言うだけで傷は浅かったそうだ。
潤は…あまり前に出しゃばらないが、独特な感性や体験してて単純に育った鬼丸には刺激的だ。
楳図かずお先生と結局2回画材売り場で会って、油絵描いてると話したら僕も僕も♪と意気投合したらしい。
変な人は変な人と出会うものなのかもしれない…




