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パーキング

「ココさあ〜日が当たればもっと明るくなるのにね。

横のパーキングがデカいせいだよね。

しかし…駅前にこんなデカい駐車場いるか?

それもコインパーキングじゃないから月極だろ?

こんな駅前なら電車の方がどこでも早いだろに…」鬼丸がブツブツ言う。

「どこかの会社の私有地だから、どう使おうと個人の問題だよ〜マンションかショッピングビルにしてもらった方が助かるけどね。」潤が笑う。

依頼のあったビルの幽霊通路は、この横のパーキングのせいで日が入らず暗いのだ。

潤がはじめて通った時に暗く感じたのは物理的理由もあった。

「それに霊にしたら、この暗がりだから留まれるんだよ。ココにカーっとあの夏場の日がさしてご覧よ?

どんな霊も干上がって蒸発するよ?」潤が笑う。

今までダメンズ好きだったが、偶然単純年下男と付き合ったら…快適だ。

あの浮気やマウントや金銭トラブルばっかりの同棲生活が嘘みたい!

潤は年上に甘えるのが好きだった。あんまり自分から人に色々振りたくないので。

姉さん好きの男子とか苦手だった。

気の強い仕切りの友達が年下に絶大な人気あったので、そういう感じしかイメージしてなかった。

鬼丸みたいに年下だけど、全くお姉さんって甘えてくることもなく、フランクに人対人で関わってくれる年下男子がいるとは!

初めこそ敬語だったが、今は完全にタメみたいな感じだ。クラスメートみたいな距離感だ、夜以外は。

潤みたいなタイプにはありがたい!

年上に甘えてるポーズだけで実は誰にも甘えたくもないし、甘えられたくもない。

ヲタ女にとって、この世は妄想する為にあるのだ。

人生に絶望してる人が居たら、伝えたい。

人生なんか期待しちゃダメ!人にも期待しちゃダメ!

全ては自由に想像するこの頭と身体を維持するためだけに存在してるのだと。

死んだら妄想できないから。平和な世の中で健康な身体があってこそ!妄想生活がてきるのだと。

鬼丸は、理想的なのだ。

面倒くさい心の(あや)とか、まず鬼丸が考えてないし。

『美味い飯が食えて、快適なエッチが出来て寝るのはどこでも寝れるからどうでも良い。』とコレしか考えて生きてない。

仕事も鬼丸と散歩してるようなものだし、身体に良い。

オーナーは昼間は目黒のステーキランチの店で忙しいので預かった鍵で中に入る。

機械音がうるさい。

「ココってさエレベーターの昇降機や色々やっぱり倉庫だよね?良くあのオーナー借りれたよね?」潤が驚く。

エレベーター止まったりボイラーとか点検する度に業者が入ってくるし、何かビルに問題あったら1番に疑われそうだ。

「いや…確かビルオーナーだよ。あの人。ばあちゃんから聞いたような…」鬼丸が過去を思い出す。

「このビル、うちと同じ頃建てて〜オーナーのお父さんが建てたんだよ。その頃、息子がドラクイーンなったとお父さんがカンカンで勘当されたんだよ。」鬼丸はすっかり忘れていたらしい。

「俺、実家品川だから、ここら辺は知らなくて。

お祖母ちゃん家に来た時、話し聞いたような…」バーの中を彷徨きながら思い出したようだ。

「エッ、確かにちょっとオネエ言葉だと思ったけどガチムチだし、身体は強そうだから怖がってるのが奇妙な感じだったんだよね。」潤が驚く。

今は男性の服装だったので、まさか昔ドラクイーンだったとは。

「年食って引退してママのバーで修行してたんだよ。

でお父さん亡くなった後、このマンション引き継いだはず!」鬼丸が警察だった頃なので推測だ。

「そうか!だから、余ってるこのスペースをバーにしちゃったんだね?

不動産屋に連れてこられたから、まさかあの人がビルオーナーだと思わなかったよ!」潤が合点する。


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