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ファム・ファタール

「はあ〜っ、そんな目で見ないでよ。」悩んだ鬼丸は

ただ毎日カレー屋に通って要を見つめていた。

そして夜は、カレー仲間のダーツバーやライブハウスに通い…ただひたらす要を見つめる。

せっかくまとまったお金貰ったのに散財しまくった。

昼のカレー屋だけでは足りないので、夜は店の手伝いしてる事が多い。要はすっかり昼で採算取れる店に成長したが、カレー屋仲間はまだまだなのだ。

そこに鬼丸がずっと居るから皆居心地悪そうだ。

「なんで、俺単独じゃないと分かったの?」客の引いた店内でカウンターに座りながら要が聞く。

「池袋までは要さん単独だと思ってました。でも、池袋は無理だ。」鬼丸が下を向いたままポツリポツリと話す。

「元々はあの2人がダーツバーで企ててた。それを聞いた要さんはあの2人を犯人に仕立て上げる事にした。

そのため2人を切離してお互いを疑心暗鬼に持ち込まないといけない。

男がタバコを吸いに喫煙コーナー言ったスキに行列を2列に変更し折り返し並びに変えた。そう、カレー屋仲間2人はボランティアスタッフとして混じってた。

その隙に要さんがママを白蘭の目が届く所に誘導して

自分もスタッフの腕章つけて鍋にコカイン入れたんだ。」鬼丸がやる気なさげに話す。

要さんが大きくため息をつく。

「でもコカインは、あの半グレの入手ルートの品だったんだろ?それも鍋に入れるくらい大量に。

俺等には無理だよ。」要が苦笑いする。

「要さんも科捜研の分析班だし、ライブハウスの木村さんは病院事務だけど、元は薬剤師だろ?調べたよ。

2人ならコカインを分析して、国内のコカ畑から分けて貰いコピーしてコカイン作れるよ。」

鬼丸はまたボソボソ話す。

「コピーする元の半グレのコカが要るだろ?」頬杖ついて要が天井を見る。

「あのカップルはダーツバーに入り浸ってたんだろ?

周りの客に聞いたよ。店長と良くモメてたって。

だいたいコカは財布に入れて持ち歩いてる。カード出す時に1袋落ちたの拾ったんじゃない?」

鬼丸がチラッと要を見る。

「そこまで調べたのに最後は憶測かよ!」要が吐き捨てるように言う。

「俺、もう警察じゃないし。どうする気もない。

なんで白蘭の魔法を実行したんだよ?

それが、分かんないんだよ!」鬼丸が訴えた。


「俺にとってママは心の拠り所なんだよ。何ならココに集まってる男にとってママは失えない土台みたいなもんなんだ。」要が話す。

ママは日本人とアラブ人のハーフらしい。赤いバーがエキゾチックなのはそのせいだ。

カレー屋やりたい奴らのために周りの店のオーナーに掛け合って昼間貸し出してくれるようにしたのもママだ。

「だが、そこにファム・ファタールのようなアイツが現れた。アイツは死神だよ。

恋人が自殺したのも、姉と叔母が殺されたのも全部アイツのせいだ。

ママもすっかり取り憑かれた。知ってるか?2回も救急車で運び込まれたんだ、ママは。アイツが来てから!」要が怒ってる。

「彼が何かした訳じゃないだろ?」鬼丸が冷静に話す。

「それこそ理屈じゃない!アイツのそばにいる女は破滅か死しか無いんだよ。どんどん生気が吸い取られていくのが分かった。」要がランランとした目で話す。

鬼丸も警察で働いてると、周りでどんどん人が死ぬ人間が存在するのは知ってる。

本人が手を下していなくても、誰かしらが動いて人が死んでいく人間は存在する。

確かに白蘭の周りは死人ばかりだ。水子と死人…呪われた生きた心霊スポットみたいな存在だ。

母親をサークルクラッシャーだと罵ってたが、アイツは破壊どころか死人を出すからな。母親以上に最悪だ。

そして、絶対男のいる女を横取りしてくる。

お前も気を付けろ!アイツに横取りされるぞ!」

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