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ベール

「ところでさっき警備の人に頼んだ事やってくれてる?」鬼丸が白蘭に聞く。

「ああ、意味が分からなかったけど。占いの道具は全部、事務所へ運んで貰った。なんでだい?」白蘭が聞く。

「どこかに盗聴器付いてるよ。

今のは本当に小さいからね。多分あのカブってた刺繍の付いたベールの飾りか水晶のせるクッションの中だ。」鬼丸が言うとみるみる白蘭の顔色が変わる。

「あのベールと水晶玉は、ママからのプレゼントなんだ。ママは何でも要さんに任すから…そうか…」白蘭が社長デスクから離れてクッションに深く座り込む。

「でも菅刈公園の男は、僕に接触するまで誰にも会ってないよ!シェフも電話で話済ませたらしいし。」

「それですよね!私そこも要さんに教えて貰いたかったのに、急に機嫌悪くなるから。」潤も文句を言う。


「それに触れてくれたら、要さんへの疑いが解けたんだよ。でも、頑なに薬の遅効性の話しはしてくれなかった。

犯人の職業を知りたいんじゃない。薬の作用をどのくらい伸ばせるのか聞きたかったのに…」鬼丸も残念そうだ。

何となく要に話させて自分から質問しなかったのは、そのせいだったのだ。そんな大事な部分だと気づかなかった。

「俺のも仕事の基礎知識だけど、マジックマッシュルームは効きが1番遅いんだ、薬物の中で。

そして、バカ多い糖衣は溶けるのを遅らせる為だと思う…」鬼丸が話す。

専門家だからこそ、砂糖の多さに驚く部分だったのだ。

「飴か!糖衣と言うからピンと来なかったが。大きな飴玉か!飴玉の中心部に粉を仕込んで飲み込ませたのか?」白蘭もケーキの知識で理解した。

「ほら、カレーの後に急にフェンネル出すようになったじゃん。多分、あれは飴玉を彼にだけ上げてたのを怪しまれないために始めたんじゃないかな、最近。」鬼丸が潤に話す。

確かに最初無かった。カレーをポンと出されるだけだったのが2回目行ったら食後に糖衣でカラフルに色付けされたフェンネルを出されるようになった。


「待って!じゃあ、菅刈公園のあの男性は前日の昼に駅前のカレー屋行ったの?そして、デカいフェンネルの飴玉を貰ったの?」潤が驚く。

「昼しかやってないが、要さんのカレーはここらで1番安いんだ。1000円以下で昼メシ食べれる所は貴重だからね。

そして男なら、美味いカレーを昼食べて夜は干物と酒とインスタトラーメンとか1人身なら普通だよ。

まさか前日の昼舐めた飴玉の薬物が次の日の午前中に効くなんて!

「俺が教えられた基礎の薬物だとキノコ系なら10〜12時間後まで効くんだよ。それも飴玉状でフェンネルでハッカ味の甘い飴玉をゆっくり舐めてたら…

気持ちが良くなった状態がフワフワと続くから、舐め続けたと思うよ。である程度小さくなったら飲み込んだはず。

そこに粉状のマジックマッシュルーム入れとけば、午前中に出て行けと言われて怒りや絶望が興奮に転化するかもしれない…

本当はこの話を要さんから聞きたかったんだが。」鬼丸も残念そうだ。

「しかし…なんで、そんな事したんだ?彼になんのメリットあるんだ?分からん…」白蘭がガックリしてる。

「僕の周りで人が死にすぎて、オカシクなってたのかな?冷静に考えれば、おかしいか?」白蘭は切なそうな顔をする。

まず恋人が自殺し第1発見者となり次に叔母と姉が強盗に殺され、母を…そして最後に父を亡くした。3ヶ月くらいの間の事だった。

あれで完全に気が狂ったのか?自分は?

しかし、白蘭にそんな勘違いさせて人まで死なせて要に何のメリットがあるのか?

それが謎だ。

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