意外な客
「エエ〜ッ!アイツが!?」鬼丸が驚く。
そりゃ、そうだ。中目黒で起こる怪死事件の犯人なのだ。
菅刈公園の時は未然に防げたが、池袋は出し抜かれた、ヤラレタと思った。
なのに、まさか犯人を本当の魔法使いを突き止めてくれと依頼されるとは…
「で、コレはいくらなの?」指でワッカを作る。
警官ではなく私立探偵なので金次第だ。
「浮気調査の3倍だって…でも、大変じゃない?」と潤は心配するが、鬼丸はすくっと立った。
「引き受けよう。」ムチャやる気出した。
「浮気調査は経費込みで30万から40万だからな。その3倍だと100万の仕事だ!うっひょーッ♪」鬼丸が小躍りする。あくまで単純だ。
「それは本当に犯人が居ればだよ?
彼がワザと私達を撹乱してるかも?」潤はなんか弄ばれて気が最初からする。
「いや、アイツはムダな動きはしないよ。
経営者だから、何事にも意味があるタイプだ。
これも俺らを動かして誰かを炙り出す気なんだ。
最初に町中華の帰り道、石碑で写真撮りまくっただろ?
動けば企んでる奴が、必ず反応する。
彼もその為に俺らに頼むんだよ。」単細胞に見えて鬼丸はやはり元刑事なのだな〜と感心する。
「それじゃあ、やっぱり誰か裏で動いてる人が存在するの?
自殺させたり、人を襲わせたり…コカインを鍋に入れさせたのも、今捕まってる人達じゃないの???」潤には、白蘭よりスゴい能力者な気がする。
ああ、だから「魔法使い」と白蘭が言ったのか?
「まあ動いてみよう。まず連続自殺から洗い直そう。」と明るい内から石碑へ向かう。
明るい時間に行くと赤いバーの2階の小さな鎧戸から線路越しに見えるのに気づく。
「あそこから白蘭はこちらを見てたんだな。電車もひっきりなしだし分からないよな〜こっちからは。」カラカラと鬼丸が笑う。
もう報酬が高額なので、機嫌が良い。現金なものだ。
反対の道路側もすごい交通量だ。
マンションは管理人室を閉めて防犯カメラを3台増設して対応してる。
鬼丸のマンションも昔は祖母が管理人しつつ住んでたが、今は全部管理会社に任せているそうだ。
絶対その方が良い!
鬼丸に任せたら、カオスな廃墟ビルになってしまう。
「あれからオーナーさんから何かあった?」潤が聞く。
「いや〜管理会社は慣れてると言うか不動産関係の人って、ちょっと反社っぽいじゃん?
宅配Boxが足りなくて盗難とかあるらしいけど、住民から苦情ないらしいよ。こわくて黙ってるのかもね〜」鬼丸が苦笑いする。
菅刈公園へも行く。
あの事件が嘘のように保育園児や親子連れが遊んでいる。
ただ、保育園は保父さんが増えた気がする。
「少しでも男性いると散歩の時間とかは安心ですよね。良いと思います。」潤が笑顔で言う。
「ちょっと所轄行こうか?話したい事があるって。」
そうなのだ。あの後、表彰の話があったが元警官と言うことで断ったのだ。
ちょうど鬼丸の元同期が担当だったのだ。
犯人は未遂と言うことですでに保釈されていた。
郷里の栃木に戻って実家に居るらしい。
三軒茶屋署にお邪魔すると、個室に通された。
「実はさ、うちも薬物反応あったんだよ。でも、本人がマリファナに手を出してた時期もあったとか言ってたから、またどこかで買って吸ったのかと思ってんたんだ。
あえてマスコミには話さなかったんだけど。」鬼丸の同期が小声で話す。
やはり池袋の事件があったので薬物を公表しなかった事に今更焦ったのだろう。
「薬物の種類は分かったの?」鬼丸が聞く。
「1種類じゃなかった。11種類のマジックマッシュルームのブレンドだったんだよ。成分表渡すよ。
もう判決出てるから、今更何もしょうがないが。」とコピーを特別に貰えた。




