アリスのお茶会
犯人が社内に居たことでマスコミからコメントを求められる前に発表しておくことにした。
ホームページで謝罪発表する。
しかし、秘書室は要らない。フードロスで社会貢献する方針も変えないと発表した。
これは却って好意的に受け取られた。
各店舗の良い宣伝になった。
反対に子ども食堂などからも申し込みがあり、元秘書室は人員を増やす事になった。
株価も上がる結果となった。
「ねえ、梨花ってまだ犯行認めてないんでしょ?
彼氏が勝手にやったとか言ってるらしいよ。」
「え?でも彼氏って半グレのメンバーだったとかの人でしょ?それに彼は梨花が単独でやったと言ってるらしいし。どうなるんだろね?」元秘書達は集まるとコソコソ話している。
彼らは何とか白蘭の鍋に近付こうとしたが、人気で長蛇の列で並んでる内に彼が飽きて離れたらしい。
戻ると彼女を見つけられなくなっていた。
そのまま浮浪者が暴れ出し混乱に陥ったのだ。
しかし、体内に入ったコカインの成分は半グレの彼のモノと細かい成分まで同じだった。
なので犯人は2人のうち、どちらかだろうと警察は結論を出した。
それより白蘭は1人不安になっていた。
そう人が暴れ出したのは、自分の能力ではなくコカインのせいだったのだから。
これも実験の1つだった。
1人には絶対大丈夫だと自信ができたので、どのくらいの人数に一度に掛られるのか?
試したつもりだった…が。
「もう一度、1人で試す必要があるんじゃないか?」白蘭は呟く。
会社が上向きなので、仕事に絡めたくない。
個人で試したい…
「やっぱりアソコかな?」白蘭はインスタを更新した。
「やっぱり別所坂なのね、今度は。」急な坂を中目黒から恵比寿へ登ると庚申塚があり、その後ろに立派な門を構えた邸宅がある。
元はハンガリー大使館だったが、今はガーデンウェディングで有名な結婚式場だ。中にはフレンチレストランがあるらしい。
あまりに豪勢で物々しいので入った事は無い。
がしかし、白蘭がインスタを更新した。
この元大使館の結婚式場の庭で1日カフェをやると。
庭には花嫁と花婿が誓いのキスをするためのパーゴラが設置されてる。
その周りにテーブルが設置され、それは…アリスのお茶会のようだ。
すでにこの神出鬼没のカフェのマニアが楽しげにアフタヌーンティーをしている。
「今回アフタヌーンティーのみのメニューだけど良いかな?」今日はメニュー表がない。
インスタを見てすでにワクワクで来てしまった。
さすがにここなら屋外だし安全だと鬼丸に知らせず来た。
スコーンにはクロデットクリームが付いている!
日本ではあまり普及してないが、ジャムやサワークリームよりクロデットクリームとスコーンの組み合わせが大好きなのだ!
成城石井でたまに見かけるがあまり無いのだ。
仕方なく生クリームをブンブン振り回して自分で作った事があるが、うまくいかなった。
写真だといかにも脂肪分高そうなホロッとしたクロデットクリームの写真が載ってた!
アリスのお茶会のセットの中で、時計うさぎに扮した白蘭が紅茶をついで回ってる。
アリスの格好をした金髪美女が建物の方から3段のアフタヌーンティーを運んでスカートをつまんで会釈して去った。
もう潤はウットリしてしまう。
クロデットクリームもスコーンも完璧な仕上がりだった。




