フードロス
「協賛していただいてるだけでもありがたいのに!
本当に良いんですか?」ボランティア団体が驚く。
「いえ、本当にウチは廃棄率低い方ですが、それでも0には出来ません。
備蓄の冷凍倉庫も電気代がバカになりませんし。」白蘭は愛想よく話すが傍らに秘書はいない。
「あの綺麗な方は?」と聞かれるとニコッと微笑む。
「良く考えたらAIがあれば秘書って要らないんですよ。
この片腕の時計だけで十分だと気付いたので、秘書室を無くしました。」白蘭は淡々と応える。
炊き出し参加する事になってるシェフ達の顔がくもる。
秘書が退職願いを出したので秘書室長が後輩の子を入れようとしたが…断った。
よく考えれば、それは本当に必要な職務なのか?
AIができる事しかしていないのだ。
なので秘書室の10人でフードロス対策課にした。
各店のフードロスを調べ、それを集めてボランティア団体に調達する課だ。
秘書課は皆運転免許を持ってるので、すぐ転用できた。皆、軽トラからボランティアスタッフへ段ボールを次々渡してる。作業服にスニーカーで汗をかきながら働いている。
窓の外を見て白蘭がニコニコしてる。
高級レストランから運ぶ役やソムリエを消し、会社からは秘書室を消した。
シェフ達もスタッフ任せで座る事は許されない。
今まで人任せだった仕事も全部シェフ自身でやるのだ。ソムリエも資格を取らされてシェフが自分の料理に合う酒も選ぶのだ。
客もシェフの作ったものを自分で運び片付ける。そうすることで価格を1円でも下げるのだ。
白蘭は母が蓄えた不動産も豪邸も宝石も使用人も全て金に変えて社費にしてしまった。
自宅すら要らないとビル内社長室横に水回り付けた部屋を作り暮らしてる。赤いバーの屋根裏部屋暮らしが気に入っていたのだろう。
社員もシェフも皆戦々恐々としている。
「ずっと気になってたフードロスを減らせて社会還元も出来て嬉しいです。次回の炊き出しは私もサンシャインにまた手伝いに行きますよ。」と握手した。
白蘭は仕事もサイコパスなのだ。
鬼丸はラストスパートとで片付けした。なぜなら片付かないと次回が無いと!潤に言われてしまった。
やはり臭かったし、夜中にこの寒空にハエがブーンと音立てて部屋を飛んでいたのだ。
鬼丸は慣れてるのか?平気で寝ていた。
寒すぎて窓を閉めだが1匹2匹3匹と…羽音は増えていく。寝るのは無理と潤は夜中に脱出した。
次回はゴミが消え床を張り替えた後になってしまった。
床パネルを貼る接着剤をまたドンキへ買いに行く。
その間に潤が床をウタマロクリーナーとデッキブラシで磨き倒してる。ビル清掃の人がもう使わなくなったデッキブラシと床モップを貰ってきたのだ。
そう鬼丸の部屋は外より汚いのだ。
ユニバーサルフードの前で白蘭がジーッと行列を見てる。
「どうしたんだ?あいつ」とそのまま素通りした。
今はそれどころじゃ無いのだ!




