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カレー屋

帰りに久々赤いバーへ寄る。

こんな近くに白蘭が居るとはママは夢にも思って無いだろう。

「いらっしゃーい。この頃、お客さん減ってね〜閑古鳥よ。」ママは退屈そうだったが元気だった。

「仕方ないよ!この頃、ワールドダイニングの店が中目黒に大量に出店してるし。

高級店ばかりか、とうとう食のドンキみたいなの始めやがって!」(かなめ)が洗い物しながらプンプンしてる。

昼はカレー一筋(ひとすじ)の彼も夜はママの店の料理番として軽い酒のツマミを提供してる。

乾き物やチョコも実は彼の手作りだ。

「本当に!昼も夜もお構いなしにオープンしてるから

嫌よね〜あそこの店って!」ママも悪口を言ってる。

鬼丸と潤は、複雑な気持ちになる。

だって…多分白蘭はワールドダイニングの社長だ。

鬼丸と潤はバーで一杯やりながら、携帯でワールドダイニングついて調べだす。

新しい社長はマスコミ嫌いらしく全く顔出ししてない。

2年前、会社の跡取りと(もく)されてた姉が強盗事件で亡くなり父親が倒れ、母親が交通事故死して程なく父親も病気で亡くなり会社を継いだのだ。

それと共に社名変更し、1流の料理人をどんどん引き抜きワールドの名を冠した店舗を任せて躍進してきた。

とにかく味への拘りの強さとコストカットによる安価な提供で急成長しているのだ。

「本当に表向きは優秀な経営者なのにね〜

あの変な力さへ無ければ…」潤は悲しくなってしまう。

2年前、彼は怒涛のような悲劇の連続に打ちのめされて…変な力に目覚めたのだろうか?

身を隠すように赤いバーの2階に住みだしたのは、力を試すだけでなく

本当に逃亡したかったのだろう。

「ママはあれから大丈夫そう?」鬼丸がコソッと要に聞く。

「あんな毒男、居なくなって清々だよ!

アイツのせいでママがこのバーに入り浸ってね〜マンションになかなか戻ってこなくて!」鬼丸が要をねぎらう。

潤には複雑すぎる人間関係だが、要は元々科捜研の真面目な研究員だったが、熟ママのテクニックに溺れて廃人になってしまって脱サラしたらしい。

鬼丸とは警察時代からの顔見知りだったそうだ。

元々カレーマニアだった彼は、カレーを極めるため昼にママの店でカレー屋を始め、その姿に触発されたカレーマニア達が周りで店をやりだし、この一帯は昼カレーのメッカになってしまったようだ。

つまり白蘭は恋のライバルだったようだ。

「まあまあ、ママも取り戻したし昼のカレー屋は繁盛してるし良いじゃん!」と鬼丸はニコニコと要の肩を叩いた。

明日は通販で頼んだベッドがとうとう届く。リネン類は先に届いてる。

壁紙も綺麗に張り直したし、隅に押しやられてたゴミ10袋もコツコツゴミ出ししてやっと消えた。

鬼丸の愛の巣も後ちょっとで完成だ。

床も貼り直す気みたいでサンプルを取り寄せてた。

今時は、床板剥がさなくても上からパネル貼り出来てしまうらしい。

鬼丸にどれが好き?と聞かれたのでベッドを落ち着いた木目の下に隙間のないローベッドにしたので似た色の栗色のヘリンボーン柄を選んだが…しばらくは専用スリッパを買ったのでそれで寝室には入ろうと思うが。

鬼丸みたいなタイプは、絶対スキマや棚にドサーーーッと荷物を積んでしまうのでダメだ!

ソファもほぼクローゼットになってた!

スーツとワイシャツ、コートだけクローゼットにしまい、後は大きなカゴを寝室に置いた。

洗濯したものはそこに入れ、そこから着るものを出して着てもらう。乾いたものは軽く畳んで放り込んで置けば良い。クローゼットや引き出しなんて!

鬼丸には無理だ!

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