ユニバフ
『ユニバーサルフード』はオープン記念でドリンクメニュー飲み放題はアルコール200円、ジュースお茶類は100円で色違いのコインが渡される。
通常は自販機で買い、それが入場ゲートのチケットにもなる。
それでも並んで入らないと今日は無理だ。
「ア〜ッ、ヲタ的に食べる為に並ぶって無理なんですけど〜また日を改めません?」潤が文句タラタラだ。
「う〜ん、これを開発発案した人間は今日必ず視察するからなあ〜会いたいんだよ。」鬼丸が困ってる。
「エ〜ッ、多分明日も様子見しますよ?それにオープン記念が終わった後の様子も見ますよ?絶対!
だから今日はいろは寿司で良いじゃないですか?」潤的には白子ポン酢食べたい気分なのだ。
散々文句言ったが何とか入る事に成功した!
寿司屋も入ってるのでゲソ軍艦とトロたく軍艦をてんこ盛りと白子ポン酢でレモンサワーで流す。
中目黒はレモンサワー発祥の地でもある。
この地でホルモンの晩酌酒として焼酎の炭酸割りにレモンを搾ったものを「サワー」と名付けて提供したのが最初と言われている。
「だいたい開発者、顔知らないでしょ?探せるんですか?」潤的には目の前で握って提供して貰ういろは寿司のカウンターが良かったなあ〜とか思う。
こういうのはファミリーとか仲間でワイワイ来るものだ。
「う〜ん、多分分かるはずだよ。何ならアッチから声掛けてくると思う。」鬼丸が意味ありげに笑う。
潤は並んだストレスでサワーを一気飲みして3杯目に突入してる。
会社すら辞めるくらい意に反した事が苦痛な性格なのだ。並ぶなんて好きな事が待ってないと無理なのだ!
空ジョッキを返して新しくサワーを注ごうとするが、すでに足元が危ない。
人酔いと酒酔いが一気に来てる。
フラットな通路でコケそうになる。
「なんで何もない場所でコケれるんです?こけら落としで縁起でもない事しないで下さい。」と男性に支えられた。
「ア〜ッ、すみません!酔ってて〜」と男性の腕を掴んで振り返った。
白蘭だった。
「な、なんで!」潤は驚いて離れようとしたが、足元がフラフラで白蘭が腰を支える。
「それでなくても今日は混雑してるんですから、人がひっくり返ったりとかやめてください!
せっかくユニバーサルデザインを採用して、車椅子やベビーカーにも優しい居酒屋めざしてるんですから。」と白々しく笑う。
良くもサイコパスが、「人に優しい」とか言うなと!
「言ってて自分の事ヤバいと思いませんか?」と思わず嫌味を言う。
「ああ〜、ちょっと快感かも?もっと言ってください。」白蘭がニタァとする。
ちょっと悪寒がする。
そして気付く。
「もしかして…あなたがココを発案設計したんですか?」
「あ〜っ、バレると色々ヤバいかな?
まあ、アナタと彼はどこかで消せば良いか?」迎えに来た鬼丸を見てワザと潤の肩を抱く。
「オイッ、離せよ。インチキ占い師!」鬼丸がムッとする。
「口には気を付けてね。こう見えて、結構ステータス高いんだよ。」と言いながらポンと潤の背中を押す。
「大丈夫ですか?」鬼丸が潤の手を引いて腰を抱く。
「この前よりかなり仲は進んだみたいだね。
まあ今の内に人生を満喫しといてね。」と賑やかな人の群れの中に消えた。




