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中目黒ゴースト  作者: たま


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談義

「えーーーっと、どうしょう?」潤はマンションの立て看の前で悩む。

また菅刈公園前、ドンキ裏の桜並木沿いのマンションにカフェが戻っていた。

「エエエ〜イ!殺されはしないだろ!」と5階まで登って扉を開いた。

なんと普通に人が入ってカフェがやってた。

もう目が点になりながらベランダ席に座った。

「やあ、いらっしゃい」白蘭がメニュー表を持ってお冷を運んでくれた。

「えーと、あの、コレは一体どうなっているんですか?」潤はすっかり頭が疑問符の嵐になってる。

「潤さんは本やマンガのヲタクらしいけど、カフェや外食産業にもヲタクは存在するんですよ。

僕のカフェが好きな人はインスタグラムで神出鬼没な僕の店を探して来てくれるんですよ。

まあ、たまに外しもあるから、それも楽しみながらね。」と今日のケーキの紹介をする。

フランボワーズショコラとカフェモカにした。

「大人にテレビとか口コミ文化があるように若者はショート動画やインスタグラムだけで情報キャッチしてるんだよ。

中目黒の桜並木には、インスタグラムのみで情報提供してるカフェや服屋床屋も多いんだよ。」白蘭がケーキとカフェモカを運びながら言う。

確かに前にキャラクターグッズだらけのカフェに入ろうしたら予約した人しか入れないと断られたり〜

服屋なんだが、そこすら一般開放されず扉で名乗りながら服屋に入る人とか見たことある!

なんなら潤の住んでるマンションの1階はバーなのだが、インスタグラムから予約した客しか出入りが許されていない!

リザーブ制でメニューはお任せで酒は5杯までお好みのお酒をオーダーして飲む形式だ。

なんなら鬼丸マンションの1階の元管理人室は、完全会員制の隠れ家レストランらしい。

会員の紹介でしか入ることが許されない。いつもブラインドが閉まってて全く分からない。

「確かに。中目黒そんな変な店多いですもんね…」潤と鬼丸には理解できない世界でいつも疲れている。

おかげで鬼丸の入る店は安くて早くて美味い!店に限られてて潤的にも安心できる。

中目黒は、一般人には色々ハードルが高いのだ。

「まあ、そう疲れないで。僕の店は予約制じゃないし。楽しんで。」白蘭がクスクス笑う。

「あしべゆうほ先生の悪魔の花嫁いつ終わるんだろうね?50年終わらないけど…」とか性もないホラー漫画談義をしたり楽しかった。

「私、黒蜥蜴(くろとかげ)なるのが人生の目標なんだよね〜」とか絶対友達ですら話しても分かって貰えなかった話にも

「うわ〜姉も何か言ってた!悪魔の花嫁になるとかなんとか」とホラー漫画談義で盛り上がった。

菅刈公園の周辺を撮影するのがすっかり夕暮れになってしまった。

菅刈公園の上にはほぼ代官山だが西郷山公園もある。

そこも昔の西郷従道の屋敷跡なのだが、こちらは高台なせいか子供が少ない。犬の散歩させてる人がチラホラしてる。

公園脇に社宅だろうか?

美空ひばりの家もある豪邸街に不釣り合いな集合アパートがポツンと立っていた。

窓からボーッと景色眺めてる人がいた。

すぐ潤の視線に気づきスッと中に入ってしまったが…ひどく憂鬱な閉ざされた顔だった。


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