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社長夫人

結局秘書は中絶したようだ。

1週間休むと連絡があった。

申し訳ないなと思う反面、母を思い出してホッとする。

母は、白蘭を妊娠したのを盾に結婚してくれきゃ死んでやる!と会社まで乗り込んで喚き倒したらしい。

すでに前妻は病気で亡くなっていたが、娘もいるし父は母との再婚する気はなかったらしい。

しかし、表沙汰にされ信用問題なると渋々結婚したのだ。

そして白蘭が生まれると前妻の子の姉を迫害し虐め倒した。

小さい白蘭は姉が大好きだったが、無力だった。

その内、姉は亡き母の妹の叔母に引き取られる事に。

叔母はキャリアウーマンで独身だったので姉はやっと生傷ない生活を送れるようになった。

白蘭も姉を慕って私学の小学校の帰り道、姉と叔母の家に入り浸った。

おかげでバリバリ働く女性とマンガ大好きな姉の影響をもろ受けた。

社長夫人で働きもしないで百貨店の外商や税理士弁護士、ついでに精神科医に自分の精神的面倒、おべんちゃらされて生きてる女が大嫌いに。

まあ、つまり社長夫人が大嫌いに育った。

秘書は、母みたいに成りたいだろうが、申し訳ないが自分には無理だ。

最初に付き合う前に言ったはずなのだが…

自殺した彼女にも、すぐ死ぬ死ぬ言う女が大嫌いだと言ったはずなのだ、付き合う前に。

誰もちゃんと白蘭の話を聞いていなかったようだ。

姉は成人すると父の会社に入り働き始めた。

反対に白蘭は家出してカフェ店員からコツコツ貯蓄して銀行融資を受けてカフェ経営を始めた。

が突然叔母と姉が強盗に入られて殺された。

その頃、母はヤクザと関わるようになっていた。父はショックと持病が悪化し入院した。

母から会社を継げとカフェに嫌がらせが続いた。

なので大人しく実家に帰り、しばらく母と同居した。

すでに彼女が自殺した後なので、自分に何らかの力がある気がしていた。

母の運転手がノイローゼ気味なのが分かった。

仕方がない、絵に描いたような社長夫人だ。姉と叔母の事も絶対ヤッてる!

裏に手を回すのはお得意な社長夫人だ!

強い者にはプライドもなくヘコヘコと。弱い立場の人間なんか人間とすら思ってないので死体すら鞭打つほどだ。

亡くなった姉と叔母の事も独身の女世帯に強盗犯を誘ったんじゃないかと他の社長夫人に噂話をする女だ。

運転手をねぎらい占い師もやってるからと占ってあげた。

「もうすぐ、ツラい毎日から解放されますよ。貴方を苦しめる元凶がこの世から消えます。

だから、貴方は光が見える方へどうか進んで下さい。」と。

同居して1月で母は事故死した。運転手が100km以上出してトラックに追突したのだと。

その後しばらくして父を看取った。

自分の持ってるカフェも統合して「ワールドダイニング」を立ち上げた。

会社が軌道に乗るまで楽しかった。全身全霊を掛けてうちこんだ。

が、だんだん単調でつまらなくなってしまった。

優秀な人材も増え、いつしか自分が居なくても回る会社に成長した。他の経営者は、株やネットコインの話ばかり。つまらなくなってしまったのだ、何もかも。

そんな時、赤いバーで死者達の悲鳴のような叫びを聞いた。それが全て自分の中に吸い込まれていく。

きっぷの良いママは、姉を引き取った叔母のようだった。思わず居候を決め込んだ。

そして実験を始めることにした。

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