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菅刈公園

「諦めて下さい!あんなに並んでるのはムリですよ!」蕎麦を食べ損ねた鬼丸がすっかりやる気を失くしてる。やはりダンスグループのイケメン俳優の一言は、蕎麦屋に大行列を作らせてしまった。

さすがに蕎麦食べる為に1時間並ぶのは無理だ。

「先にタルトタタンのお店行きましょう!

そしたら帰りには空いてるかもしれませんし。」と提案したが、すっかりトボトボと鬼丸の足は進まない。

桜並木沿いのマンションの入り口に立て看が立っていたが、ランチメニューに変わっていた。

「あれ?ランチとかやってたかな?」看板を前に記憶をたどる。

「オオッ!ランチやってるじゃん!それも肉メニューあるじゃん!入ろう入ろう!」鬼丸が急に元気になって、階段を5階まで一気に登る。

中に入ると…全く別の店に変わってた。光に満ちて明るい店に。すでに満員近くまで客が入りにぎやかな店だった。

「なんでこんなに明るさが違うの?」と席に座りながらキョロキョロする。

ベランダ側目黒川の方は変わらない。カウンターの方が前は真っ暗でお店の人が見えないくらい暗かったのに、一面の窓で明るく窓の外には広い公園が広がっている。厨房では火が上がり、勢いよく肉が焼ける匂いが広がる。

メニューを持ってきてくれた女の子に聞く。

「この店って最近までカフェでしたよね?オープンしたのは、いつですか?」が女の子は怪訝な顔をする。

「ウチはずっと3年やってますよ〜

今は3周年記念でどのメニューも1000円ポッキリなんで混んでますが。」メニューを置いて女の子は行ってしまった。

「オーッ!サーロイン200gで1000円はスゴいよ!食おう食おう!」と潤の分まで注文してしまった。

「エッ、どういう事?私が食べたタルトタタンは?」でも料理はとても美味しい。厨房で作る様子も手慣れている。

そんなにわかの店には見えない。

潤は、頭が混乱する。

結局何も聞けずに出てきてしまった。

「あ〜っ、美味かった!いい店教えて貰った!

また来ましょうね!」と鬼丸が無邪気に微笑む。

「全然ちがう…ちがう店に変わってました!どういう事?」思わず鬼丸にすがりつく。

「う〜ん、白蘭と名乗ってた男の店なら潤さんが来るのは分かってるから、何らかの工作はしてきますよ。

もしかするとそのケーキ屋さんだった時から見張られたかもしれませんよ。」鬼丸の話に驚く。

「エッ、なんで私達あの段階では何もしてなかったよね?あの町中華食べて石碑の辺りからマンション撮影したくらいで…」潤はまだ混乱してる。

「う〜ん、あの時俺言いましたよね。

俺等がこうやって動けば、相手が何らかのアプローチをしてくると。」鬼丸が下を向いてニヤッとする。

「そうか!だから白蘭はあの石碑やマンションが見通せる赤いバーの2階の屋根裏部屋に潜り込んでたのか?

誰かが自分の企みに気づいた時にすぐ対応する為に!」潤は周りの高いビルの窓と言う窓をグルっと見回す。

「ダメですよ。探しちゃ。彼はただの占い師じゃないと思いますよ。すでに俺等を見張ってると思います。」鬼丸がスッと潤の手を握る。

「大丈夫!アナタに指1本触れさせませんよ。

だいたい彼の能力はアナタには効かなかった。それも気になってるはずです。」

前はカーテンで遮られて見えなかった広い芝生の公園へ鬼丸が潤の手を引いて入っていった。

広い芝生の公園には遊具もあり、近くの保育園の子達が遊びに来ている。その中をゆっくり歩きベンチに座った。

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