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不浄

白蘭には生まれつき空気がよどんだ場所が見えた。

中目黒の高架下は白蘭には空気がドス黒くドブ川のように見える。

だが不思議な事にそういう場所ほど繁盛するのだ。

繁華街として成功する場所は、ことごとく空気が不浄なのだ。

人間の排泄物でいい野菜が育つように。

亡霊の恐怖苦痛悲鳴嘆きが渦巻く場所は、繁華街として発展していく。

カフェをオープンするとことごとく成功した。

そのうち、それが当たり前になってつまらなくなってしまった。店は人に任せ、占いを学んだ。

女性と付き合うと不思議なくらいモテた。見た目もだが、依存されてる気がした。手を握って話しを聞いて適当にアドバイスすると必ず実行するのだ。

凄く綺麗だが少しメンヘラな子と付き合っていた。

「もう死にたい、生きていたくない」と白蘭が結婚を断ると延々嘆きだした。

面倒になって手を握ったまま心の中で「そんなに死にたいなら死ねば?」と思った。

すると翌日、本当に彼女は家で自殺していた。

占いと称して手を握れば、相手の潜在的な要求を実行させてあげる事が出来るのだ。

まだまだ実験段階だが、この力で何か出来るかもしれない。

それまで目立たないように姿を偽り動き続けないと。

「そろそろ、ここもおさらばかな?」まだ眠ってるママに置き手紙をして去った。


夜、潤と鬼丸が赤いバーに行くとママが泣いていた。

それをカレー屋のメガネ君が慰めていた。

「どうしたんですか?」鬼丸が聞くとエプロンメガネ君改め(かなめ)が答える。

「白蘭、絶対あいつ変だと思ってたら逃げたんだよ!」置き手紙を見せられた。ビアズリーの絵はがきの裏に

「愛するママへ あなたに貰った「白蘭」の名はお返しします。どうかお幸せに。」と書かれていた。

「エッ!て事は、どこの誰かも分からないの?」潤が驚く。

「2年前ね、フッとお店に現れたの。

名前も失くしたし行くとこ無いって言うから、2階の空き部屋貸してあげたのよ。占い師だと言ってたからお店でやらせてあげてたの。

もう2年も居るから、このままずっと一緒に過ごせるかと思ったのに〜っ!」ママはサメザメと泣く。

「こんな時にすみません。この人達、白蘭くんに占って貰ってませんでしたか?」鬼丸が管理人さん達の顔写真を見せる。

「あらっ、前は良く来てた客だわ!この頃来ないのよね〜

いつも今時の若いもんは〜ってグチが長くて大変だったのよ〜もう捕まったら放してくれなくて。

白蘭が来てからは、良い所で変わってもらって相手してもらってたの。

あの子、聞き上手だから。

初めは占いなんてって嫌がってたけど、ハマったみたいで大金つぎ込んでたわよ〜あれ?皆さん、お知り合いなの?」管理人同士は全く時期がかぶってないのだが、マダムは知らなかったようだ。

カレー屋の(かなめ)とママに3人共自殺したと話すと

ショックを受けていた。

「クソッ!白蘭、なんか怪しいと思ったんだ!」要が悔しがる。

「この人、実は科捜研出身なんだよ。カレーにのめり込んでしまってね〜今はカレー屋さんだけど。」鬼丸が教えてくれた。

『だからカレー1種類でワンオペで愛想ないんだ…』と納得する。

「僕は僕の求める究極のカレーを作る為に店やってるから。」メガネをクイッとしながら話した。

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