推し事
「なんで仕事辞めてまで中目黒に住みたいの?」
課長が驚く。
潤がせっかく会社も2駅の中目黒に部屋借りたのにダメだと解約しろと言われたのだ。
お台場にマンションは買ってるので引っ越せない。
だからマンション売れるまで、代わりに中目黒に住む部屋借りたのだ。
東京で一人暮らし始めてから更新したことない程引っ越し魔だったのに、つい歳だからローン組めなくなるからとモデルルームの人に勧められて買ってしまったのだ。
が、もう6年も住んでる…そろそろ精神的な限界が来てる。
そんな時、とあるドラマにハマった。
撮影場所が代官山と中目黒。物語は良く分からないが美術さんのセットや風景の切り取り方が…もうツボ!
もともとマンション買ったのも、原寸大ガンダムがお台場の潮風公園に設置されたのを見た帰りに駅前でチラシ渡されて…カンダムを見ながら暮らしたい!とモデルルームに入ってしまったのだ。
「理由らしい理由は無いです。とにかく住みたい街に住めないのは嫌なんです!」ドラマの世界に入り込みたいのだ。
マンションも毎日日を背に立つガンダムが見れて、物語の中に入り込んでた。モビルスーツ来て宇宙を飛び回ってた。
しかし、いつの間にかガンダムが移動してテレビ局の影でマンションからは見えなくなってしまった。
仕方がないので仕事帰りに一駅歩いて見に行ってた。
そうこうする内に熱も冷め、次の波がショコラティエドラマだったのだ。
最初はお台場のマンションを売って買い替えようとしたが、見つからない!条件が特殊なせいか不動産屋で門前払いを何件も食らった。
それでも休みの度に中目黒や代官山の不動産屋を巡り探し回った。
なぜか?と言われると困るが、もう街を歩いてるだけでドラマの世界に入れるのだ。
ローン完済した方が買い替えしやすいと聞いて銀行に一気に完済手続きしたり、銀行や不動産屋にまで
なぜそこまで頑張る?と聞かれると返答に困るのだが…これが、自分の推し活なのだ。
が、それは説明しても誰にも理解されないだろう。
課長が無理なら辞めると言う潤に戸惑ってるが理由は説明できないのだ。
「分かったわ。ここの規約違反になるから、どうしても許すことは出来ないから退職して住むなら住んでいいわ。」1週間くらい監禁されて説得されたが、理由は言わないクセに中目黒に引っ越すと決めてる潤に課長が折れてくれた。
まさかアニメハマってマンション買ったり、ドラマハマって会社辞める奴がいるとは…説明しても理解されないだろう。
「でも、会社やめても仕事どうするの?」課長が心配してくれる。
実は借りた部屋の隣のビルに探偵事務所の看板を見つけた。仕事として近い気がする。
多分採用されやすいはず。
「大丈夫です!スーパーのGメンでもやりますから。」ニコニコしてる潤に課長は首をかしげる。
「それなら会社で働いてるのと変わらないじゃない?
分からないわあ〜」課長は頭を抱える。でも、説得の1週間の内に後釜を見つけられたようだ。潤も知ってる女性だ。警官としてキャリアも10年以上ある。やっと諦めてくれた。
辞めたくはないが、自宅あるのに他に仕事都合じゃなく賃貸物件借りれない規約があるなら仕方ないのだ!
それに買い替えも上司に決裁が無いと無理とか…無理!
中目黒の川沿いの桜並木見える賃貸マンションを1月担当さんも駆けずり回って探してくれた。住んで、とにかく売買物件を探す!
ついでに探偵事務所で働こう!
これが潤の推し活なのだ。




