表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
8/75

嘔吐

 中堅社員の研修に参加した。

 今日のテーマは“二日酔い”だった。

 和服を着た色白で細面の男が講師として現れた。

「会社員の基本は二日酔いであり嘔吐です。さぁ、やってみましょう」

 私達研修参加者は、顔を見合わせ戸惑った。

「嘔吐には普通のものと観賞用のものがあります。そもそも観賞用嘔吐には悠久の歴史と日本の美があるのですよ」

 呆気にとられる私達をよそに、男はバケツを持ち上げた。

「では、観賞用嘔吐の型を指南しましょう。まずこれが“菊”です。ゲロロロ…」

 男はバケツに嘔吐をして見せた。 菊の嘔吐は品があり、無駄が一切排除された侘び寂びの体現の様だった。

「そして、これが“牡丹”。ゲロロロ…」

 なるほど、牡丹は絢爛豪華で見栄えのする派手な嘔吐だ。

「最後に、これが“柳”。ゲロロロ…」

 柳はしなやかで色気さえ感じさせる究極の嘔吐だった。

 あっという間に、私達は嘔吐の美しさに心を奪われていた。

 そして私達は、うっとりとしたまま窓を開け換気をするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ