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肉まん

 古いコートのポケットから、独身時代に一人旅をした時のコンビニのレシートが出てきた。

 私は麦茶と肉まんを買っていた。


 思い出した。

 この時買った肉まんは、凄く大きかったのだ。

 大型トラックのタイヤくらいあった。

 止むなく車の天井の上に括り付けて走った。

 お陰でカーブでは車が振られて、後ろからクラクションを鳴らされた事も思い出した。

 あの肉まんは大き過ぎて、胃下垂の私は見ているだけで食欲が失せた。

 しばらく車の上に括り付けたままだったが、結局、最後はどうしたのだろうか。

 食べた覚えはない。

 それは何度考えても思い出せなかった。


 腹がぐぅと鳴った。

 今は只、あの旅と肉まんが恋しい。


挿絵(By みてみん)

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