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スケキヨ
「おい、今日スケキヨ社長見たか?」
自動販売機の前でホットコーヒーを飲んでいると、部長が小声で話し掛けてきた。
「社長ですか?今日はまだお見かけしてないです」
「実は俺もまだ見てないんだが、スケキヨ社長の白いゴムマスク、物凄く彫りが深いのに変わってるらしいんだよ」
「えぇっ…」
その時、廊下の向こうから社長が歩いてくるのが見えた。
私達は素知らぬ顔をして、社長に挨拶をした。
「お疲れ様です」
「はい、お疲れ様」
こちらを向いた社長の白いゴムマスクは、どこからどう見てもダビデ像だった。
社長が歩き去ったのを確認してから、部長が言った。
「…こりゃあ、ダビデ像に変えたのバレてないと思ってるな」
「そうですね。社長の前で『マスク』や『被る』だけじゃなくて、これからは『裸』や『ミケランジェロ』も禁句になりますね」
私達は顔を見合わせた。
そして彫刻の様な白いため息をついた。




