表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
25/75

無回転

 私は一人路地裏の喫茶店に入った。

 窓際の席に腰掛けてコーヒーを注文すると、マスターが直々にコーヒーを運んで来た。

「お客様、こちらは無回転コーヒーでございます。かき混ぜずにお飲みください」

「無回転コーヒー?」

「そうです。野球でもサッカーでも無回転のボールは変則的な動きになります。それと同じで回転のないコーヒーは飲む度に味の軌道が変わるのですよ。さて今回はどんな味になるでしょう」

 半信半疑ではあったが、私はコーヒーをかき混ぜずに一口飲み、そして印象を伝えた。

「口当たりは物凄く軽やかですが、急に景色が変わり、強い衝撃が来ますね。その途端、鼻先には土の香りが感じられ、それに一瞬戸惑うんですが、間もなくして押し寄せて来る理解とカッと熱くなる身体。後味もかなりビターで…」

 マスターは穏やかに言った。

「泥酔して大転倒味でございます」


 それは隣のビルのせいで、日の光が全く届かない昼下がりの窓際だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ