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物真似は『作品』か?

 音楽の話ですが──


『カバー』というものがありますよね?

 既存の楽曲を、別のアーティストが新たにやる、みたいなアレ。


 中にはオリジナルよりもヒットしちゃったカバー曲なんてのもあります。

 私が真っ先に思いつくのは洋楽の『ウィズアウト・ユー』、オリジナルはビートルズの弟バンドのバッドフィンガーですが、その翌年にカバーされたニルソンの曲だと思ってるひとがほとんどだと思います。後にマライア・キャリーさんもカバーしてますが、誰もがそれも『ニルソンのカバー』と認識してらっしゃるように思います。

 私もこれ、オリジナルよりもカバーのほうが絶対的にいいと感じます。

 バッドフィンガーのオリジナルがちょっと飛び跳ねるようなロック曲なのに対して、ニルソンさんのはしっとり歌い上げるバラードになっています。

 サビの解釈がまったく違います。オリジナルがスタッカート気味に、いきなり高い音で歌うのに対して、カバーは思いっきりレガート、しかも低いところからはじめて次に1オクターブ上を歌い、盛り上げます。


 これ、カバーするにあたり、ニルソンさんは最初ビートルズの曲だと思ってらっしゃったそうです。

 私の勝手な推測ですが、ニルソンさんにはバッドフィンガーへの愛は特になかったように思われます。

 だから『物真似』にならず、楽曲を独自に解釈して、シングル曲のカップリング曲でしかなかったオリジナルを、世界的な大ヒット曲に改造することができた。




 カバーする場合、ふつうはオリジナル曲への愛があるものと思います。

 好きだからカバーするんだろうし、カバーするからには原曲のよさを知らないひとにも伝えようと思うのだろうし、そこにはリスペクトがあるものと思います。

 でもそういうカバーは、少なくとも私は一回聴いたら『もう、いいや』ってなります。

 特に原曲を知っている場合は、原曲のほうがいいこと100%だからです。

 ボーカルの歌い方、ギターの音作りまでそっくりだったりすると、『真面目系の物真似芸人』みたいに見えてきちゃいます。

 

 物真似は果たして『作品』と呼べるのか?


 ニルソンさんの『ウィズアウト・ユー』のように、物真似でない、新しい解釈のものなら『作品』として、オリジナルよりもヒットするなんてことになると思います。

 そこにはアーティストに対するリスペクトは感じられず、ただ楽曲のよさを自分のやり方で表現しようという意思だけが感じられます。


 ただ、たとえば動画サイトで、よく『名曲ロックのギター弾いてみた』というようなものがありますが──

 中には原曲ギタリストをバカにしてるとしか思えないものもあります。

 原曲よりも音数をめっちゃ多くして、早弾き、タッピング、スウィープ等、原曲ではやってないテクニックてんこ盛りで、まるで『原曲のヘタクソを俺がもっと上手に弾いてやったぜ』とでも言わんばかり。

 あれは作品ではないのはもちろん、物真似ですらなく、大道芸というか、ただ単にご自分のテクニックを見せびらかしたいだけだと思います。

 テクニックがあるのは確かに羨ましいですが……

 でも、原曲に忠実なカバーをやるバンドの中でアレをやったらぶち壊しだと思います。



 カバーのほうがお気に入りになっちゃう場合もあります。

 1950年代?のブルースマン、マディー・ウォーターズのカバー曲で固めたポール・ロジャースさんのアルバムがあるのですが──

 これはカバーを聴いてからオリジナルを後で聴きました。

 オリジナルはふつうにむかーしの黒人ブルース、カバーアルバムは名だだるロック・ギタリストを集めてのブルースロック・アルバム。

 ロック大好きな私がどっちが好きになるかというと……

 っていうか私は好きなアーティストさんが『影響を受けた』というものを聴いて、いいなと思ったことがありません……。




 カバーは作品になりうるものですが、完全な物真似は果たして『作品』と呼べるのか? というところにいきなり話を飛ばさせてもらいます。


 物真似芸人さんの物真似芸、凄いですよね。

 でも物真似芸人の物真似を収めたCDは果たしてあるのだろうか? と思って調べてみたら、どうやらないようでした。


 カレン・カーペンターさんが生き返ったかのように思わせてくれるような歌声の日本人歌手を聴いていると、うっとりします。

 それは歌声にもうっとりするのですが、『似ている』ということへの驚きが、殊更うっとりを誘うんですよね。

 ただ、ご本人でない以上、似ているだけに過ぎません。

 どうせなら、誇張や顔芸なども入れて、笑わせてくれる物真似のほうが、私は好きです。

 ただ、それもDVDにはなっても、やはりCDにはなりません。

 そろそろいつも通り、何が言いたかったのかわからなくなってきましたが──



 元ネタを受け手が知らなければ、物真似は成立しません。

 中にはファンのみんなが知らない元ネタを『自分の曲』にしているアーティストもいます。

 アジア諸国とかにたまにいらっしゃいます。日本のヒット曲を『作詞、作曲:俺』として新たに自分で録音し、リリースされてる方が。

 国内にも、そのまんまではないにしろ部分的に、主に洋楽からパクってらっしゃる方がよくいらっしゃいますし、冗談なのか、ほぼそのまんまの曲に『作詞、作曲:俺』とつけてる方も過去にはごくたまーにいらっしゃいました。


 ただ、この場合、これは『物真似』ではありません。


『パクリ』、もしくは『オマージュ』と呼ばれます。


『物真似』はオリジナルをよく研究し、似せる必要がありますが、この場合には似てなくてもいいからです。


 完全に何が言いたいのかわからなくなったので、このへんで!





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― 新着の感想 ―
 あぁ、元曲きいてみて、カバーのほうが好きなときってありますね。  わりとそのままカバーを、雑誌のレビューで「カラオケ」と称されても、アーティスト本人としては、自分のルーツのひとつを明らかにするって意…
物真似は質にも寄りますが、「作品」だと思います。 昔。ふとしたキッカケに“ゆっくり動画”を作ろうと思い立って、片っ端からYouTubeで目に付くゆっくり関係の動画を観まくったことが有ります。 (研究…
ものまね芸人がカヴァーアルバムを出すとすれば、死んだ歌手のものまねで未発表曲を歌う、もしくは現代曲を歌う、このあたりなら価値がありそうです。尾崎豊の息子が、ほぼ同じ声で父親の歌を歌う的なのも。
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