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熟した乙女は賽を振る  作者: 花田えりんぎ


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19/20

番外編、仲良し同い年の三人

 



「うわ、最悪だよ。こんなとこで何やってんだ」


 植物園へ餌やりに行く途中にとんでもないものを見たユランはげんなりした。


「ああ、ユラン」


「どこの令嬢連れ込んでんの?それでも王子の自覚あんの?」


 ユランからはアルバートが背になって令嬢の顔は見えなかったが、高級そうなドレスはきっと格の高い貴族に違いない。

 ただ、そんなことは気に留めず、ユランの態度はいつも通りである。そこを通らないと植物園に行けないのでズンズンと進む。


「ユラン、久しぶり」


 アルバートの影からひょっこりと顔を出したのは嫁いで久しく見ていなかった同僚であった。


「エメかよ!見たことない格好してるから誰かと思ったわ!」


「着替える時間なかったの」


「今日来るって聞いてから、いつ来るかなって朝から待ってたんだぞ!仕事に手をつけずに!」


 ユランは嬉しさと驚きで謎にキレている。それを見て相変わらずだなぁとエスメラルダは懐かしく思った。


「仕事は手をつけていいんだよ〜」


「絶対ヤダ。てか、アッシュ脱走してるじゃん。王子様の監督不行届だろ。反省しろ」


「ユランたら大当たり。早く植物園に行こう。餌あげなきゃ」


「僕も行くよ」


「お前は一人で反省会な。地べたに座ってろ」


「みんなで反省会やりたい」


「俺に反省すべき点があるわけ無いだろ」


「それは私のセリフよ」


 三人はやんややんやと植物園へ向かい、アッシュとデニーに餌をやる。どちらも健康良好で、室内も清潔にされている。

 奥のソファーで、ユランが持ってきた軽食を広げてランチにする。アルバートは床であぐらをかき、そこにアッシュが寛いでいる。


「ユランお世話ありがとね。大変じゃない?」


「全然。これを理由にカルロに仕事押し付けてるから有難いくらいだ」


「僕の方がお世話してるよ。ほら、アッシュの毛並みピカピカでしょ」


「王子様は逆に仕事しろよ。こいつは俺にアッシュとのイチャイチャを見せつけてくるんだぜ。性格悪すぎるから、エメは逃げた方がいい」


「それができれば良いんだけどね〜。なかなか難しいんだよ、これが」


「エルだって僕のこと好きなくせに」


「エメは俺のことも好きだもん。お前だけが好かれてると思うな。驕りだぞ」


「なんか二人仲良くなってる?」


 ユランとアルバート殿下ってこんな話す仲だったっけ?とエスメラルダは不思議がる。


「君がいなくて寂しがるユランを僕が構ってあげてたんだよ」


「俺が構わせてやったんだよ」


「ユランってば、構ってもらってる自覚あるのが可愛いよね」


 堂々と情けないことを言い放つユラン節は健在でエスメラルダは安心する。


「そう、俺のが可愛い。こいつは可愛げがない」


「本当にそう思う。王家の人ってみんな腹黒いんだよね」


「エルったらそんなこと思ってたの」


「秘密にしてね」


「でも人の上に立つ者は大体みんなそうでしょ」


 ねぇアッシュ、とアルバートはアッシュの前脚を持ってフリフリと遊ぶ。


「そんなだから王子様は友達がいないんだよ」


「え、二人は僕の友達でしょ」


 アルバートがふと真面目な声色で二人の顔を見上げたのをみて、二人は顔を見合わせる。


「友達って思ったことなかったわ、俺」


「ユランは反省して。エルは僕と学園の頃からの友達でしょ?」


「うーん、あんまり考えたことなかったかも」


「二人とも反省して。ちゃんと僕と友達の自覚持って」


「じゃあなんか友達割りとか欲しい。王子様と友達になって得することあるなら、友達になる」


「そうだそうだ」


「二人とも友達いないだろ」



 植物園の昼は続く。


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