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短編

電話の音が

 電話の音がした。


「はい、もしもし?」


 男の声が聞こえた。


『あっ、お姉さん。今、暇ですか?』


 なんだろう。

 暇だと答えたら、何が始まるんだろうか。ぱんつの色とか聞かれるんだろうか。


 そう思いながら私が黙っていると、電話のむこうのひとは、用件を切り出してきた。


『只今ですね、博士が新発明した電波のモニターをですね、募集しているんですよ。電話越しにその電波を送ると、貴女は不老不死となります』


「結構です」


 私はすぐに電話を切った。なんの詐欺だろうかと胡散臭く思ったのだ。


 するとまた電話の音がした。


『先ほどは失礼しました。不老不死に興味がおありでないのなら、絶世の美女になれる電波もございます。よろしければ……』


「結構です」


 プチッと電話を切った。


 そんなうまい話があるものか。騙すならもっと、私よりさらに心が弱ってて、正常な判断のできなくなってるカモでも探せ。


 そう思っていると、また電話の音がした。


 私は電話を受けると、相手が喋るよりも先に怒鳴りつけた。


「いい加減にしてください! 警察に通報しますよ!」


 電話は繋がってなかった。


 足元で愛猫のマオくんが、ニャー、ニャーと鳴いていた。




 着信音を猫の鳴き声にしていると、紛らわしい。




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― 新着の感想 ―
この電話は一体何を目的にしたものだったんだろう? いくらなんでも詐欺ではないだろう、多分。 というかただのイタズラ電話か? 着信音がニャンコの鳴き声だと、逆にスルーしてしまう時もありそうだな。
• • • • • (笑) • • • • • 
やられた!この手があったか!と思いました。 見事にミスディレクションされ、スカされた敗北感が痛快です。
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