友達
次の週の休日、アイリスはCJを誘い町に遊びにきていた。CJは直前まで、ダイジーと2人で行ってきなよとしつこかったがアイリスは頑なにCJと行きたいと言い張るのでCJの根負けで2人で出かけた。
「本当にダイジーと2人じゃなくて良かったの?楽しかったんでしょこの前?」
「いい加減しつこいよ。楽しかったけど、それはそれと言うか。今日はCJとじゃなきゃ駄目なの!」
2人の面倒臭い会話はしばらく続き、目的地に着く頃にようやく、ひとまず、終わった。
「ここって……。」
着いた場所を見た時、CJはつい言葉を漏らした。
「CJここ知ってたの?まぁ最近有名だもんね、知らない方がおかしいか。さ、早く入ろ!ここのパンケーキすっごく美味しいんだから!」
そこはこの前、アイリスとダイジーが2人で来ていたパンケーキ屋だった。CJはどういうことなのか訳が分からなかったが、とりあえずアイリスに着いて入店した。
「アイリスはここ来たことあるの?」
「うん、この前ダイジーと来たんだ。ほんっとに美味しかったからCJにも食べてほしくてさ。私のお勧めは山盛りふわふわ店主の極気紛れ葡萄のパンケーキなんだけど、他のも美味しそうなんだよねぇ。」
メニュー表を見ているアイリスのキラキラした表情を見て、CJはクスッと笑った。
「え、なんで笑ったの今?」
「いや、アイリスがあまりにも食いしん坊に見えたから、つい。ごめんね。」
それを聞いたアイリスは不機嫌そうに頬を膨らませ、ブツブツとCJに抗議した。
しばらくして運ばれてきた大盛りパンケーキをペロッと平らげた2人は腹ごなしに町中を散歩して周った。
「あ、アイリス覚えてるここ?この道を真っ直ぐ行くと私たちが初めて会った通路に出るんだよ。あの時はほんとに焦ったんだから。女の子が1人であんな場所にいて、馬鹿なのかと思ったよ。」
「覚えてるよ。その節は本当にありがとうございました。助かりました。ついこの間のことなのに随分前のことみたいに感じる。不思議だね。」
2人はその後も歩きながらここ数週間にあったことを話した。2人にとってこの短い時間は絆を深めるのに十分な時間だったようだ。
日が傾き始め、CJがそろそろ帰ろうかとアイリスを促すと、まだ1つ行きたい所があるとCJをある場所に案内した。
「すごい……すごい夕日が綺麗。王都にこんな場所があったなんて知らなかった。」
「でしょ?私も感動してお気に入りになったんだ。ダイジーが教えてくれたんだ。ほんと感謝だよね。」
そう言いアイリスはゴソゴソと鞄を漁り、1着の服をCJに差し出した。CJは驚きを隠せないままその服を受け取った。そしてアイリスは鞄からもう1着服を取り出した。
「CJ、誕生日おめでとう!!」
「え……。」
「CJ来週誕生日でしょ?来週だと合宿前で忙しいだろうから今日祝おうと思って。実はこの前ダイジーにプレゼント選びに付き合ってもらってたんだよね。」
CJは嬉しすぎてニヤつきそうな口元を抑えようとしたがけっきょく思いきりニヤけた。
「そうだったんだ。すっごく嬉しい、ありがとう!!しかも服、お揃いじゃん。一生大事にするよ!」
アイリスもその嬉しそうな反応に照れながら再び鞄の中を漁りだした。
「それとこれも。お揃いのキーホルダーなんだけど、受け取ってくれる?」
「当たり前でしょ!もう、泣きそうなくらい嬉しいよ。本当にありがとうね。」
『これからも、ずっと友達でいようね。』
2人のその言葉を聞いて赤面したかのように、夕日は真っ赤に輝いていた。




