人の恋路は蜜の味 sideA
私の名前はCJ。ウィルミナル魔法魔術学校1年生カータルの生徒。そして同じ教室のアイリスとは友達で同室だ。
休みの日は大抵私とアイリスの2人か、同じ班のダイジーとフィイを混ぜての4人で遊ぶ。
だが今日は違った。
お昼前にアイリスが出かける準備をしていので、誰と遊ぶのか気になり聞いてみた。
「今日はダイジーと2人で町に行ってくるから、CJはゆっくり休んでて!」
このように返答され、一瞬言葉も出なかった。
あの2人が休日に一緒に出かける程仲が良かったとは思ってもいなかった。仲の良いことは素晴らしいことだ。
以前、攻撃魔法の練習中にアイリスに褒められなんとも言えない表情をしていたダイジーを思い出した。
そして、ある1つの答えに辿り着いた。
「2人は付き合っている。もしくはダイジーの片思いなのではないか。」
すぐに後を追い、気取られぬよう物陰に隠れながら観察してみることにした。
まず2人は服屋へ入っていった。私も店内へ入り、できるだけ近づき様子を窺った。
アイリスが可愛らしいヒラヒラとした服を手に取り、自分に合わせている。
「可愛いな。」
つい口から零れてしまった。
一方ダイジーの様子はというと、いい笑顔をしているではないか。アイリスが手に取る服を変える都度、ダイジーの笑顔はいいものになっていくのが分かる。
何も買わずに服屋を後にし、次に2人はパンケーキ屋へ入った。バレる危険性があったためここでは入店しなかった。様子を見られないと思っていたが2人はテラス席に座ったので問題なかった。
だが微妙に距離が遠く何を話しているのかまでは聞き取れなかった。
「やはりこれはデートではないのか!」
私が1人テンションを上げていると後ろから声をかけられた。
「CJ、こんな所で1人で何をしているんですか?ものすごく不審ですよ。」
声の主はフィイだった。たまたま近くを通りかかり、不審な知人を見かけ素通りしようか迷った結果声をかけてくれたらしい。
「あれを見てよ。アイリスとダイジーが2人でパンケーキを食べているの。」
「はぁ、それがどうかしたんですか?」
「デートなんじゃないかって思うんだよね。」
フィイの呆れたため息と視線が私にぶつけられた。それ以上何も言わずに帰路に着こうと後ろを向いたフィイの腕を掴み、私は同行させた。
その後もアイリスとダイジーは何件かお店を周ったが特にイチャつくこともなく、このまま寮に帰るようである。
「帰るようですね。私たちも帰りましょう。」
フィイに帰るよう促され、私たちも帰ることにした。
先回りし自室でアイリスの帰りを出迎えた。
「お帰り!どうだった、楽しかった?」
「うん、すごく楽しかったよ!今度はCJも一緒に行こうね。」
「それはちょっと申し訳ないけど、気になるから一緒に行こうかな!」
アイリスは一瞬きょとんとした顔をし、荷物を部屋の隅に置いた。
CJはにこにこしながらそのアイリスを見つめている。




