エンディング
コツコツ。コツコツ。
「早く死んでくれ。もう邪魔だよ。」
女は言う。
滴り落ちる血は、私のもの。
私は死ぬのだと、夜空が笑う。
コツコツ。コツコツ。コツッ。
響く笑いは高らかに空を仰ぐ。
「あぁ。いい顔だ。ずっと見たかったんだよ。あなたは死ぬ。私は生きる。私はあなたの全てを貰う。悲しまないで。あなたは私。私はあなた。あなたは消えるけどあなたは消えない。もう、ずっと、私のものよ。」
彼女の漆黒のドレスは月明かりに照らされ、私の血が装飾する。
奪われた。奪った。
繰り返す悲劇に終幕は無い。
私は彼女の悲劇を望む。
ずっと、ずっと、ずっと、ずっと、ずっと。
私は彼女を呪うだろう。
そして、殺す。
桜は散った。
畦道の茶色の花びらは踏まれ、忘れられる。
そう、これが私のエンディング。
踏み、踏まれ、忘れられる私の人生。
「いい人生だった…。」
思わず口にした。本当に思ってなかったが。
死の間際まで痩せ我慢。
もう我慢できることもなくなるから、ここで思い切り我慢しておこう。
「あなたの人生に終わりはない。喜びな。」
彼女は嗤う。
あぁ、憎たらしい。
なんてことの無い日常。
意識があるのは何故なのだろうか。
とっくの昔に死んでいるのにね。
風が吹く。
この廃墟に寒い寒い風が吹く。
暗く明るい彼女の人生。
暗く明るい私の人生。
「呪いは続く。ありがとう。あなたはそして死ぬでしょう。」
そこで私は死んだ。また、死んだ。
私は彼女を呪い続ける。
永遠に。
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