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不満まみれの異世界転生ハーレム

作者: 赤柄トリイ

「それなら、この中で1番付き合いの長い私めが初めてをいただくのが筋では?」

「いや、その理屈はおかしい。何故なら我が初めてを貰うべきである。」


 人払いがされたアトラス神の大聖堂で祈る私の後ろで顔を揃えたアホ集団が私の夜の初体験を誰が貰うのかなどと世迷言を話し出す。目をつぶって祈りを捧げているからと言って、耳まで塞いでいるわけじゃないからね?バッチリガッチリ聞こえてますからね!?

 何故こんなことになったのか……。本当に何故こんなことになったのか……。理由は分かっている。異世界転生でチートハーレム……通称チーレムを神に願ったからだ。

 あれは前世で携帯電話を弄りながら信号が青になるのを待っていたところを転生トラックに轢かれたことから始まる。あのときは1人で信号待ちをしていて他に人は居なかったのに神様から「死ぬべきではない者を助けてくれたお礼だ」なんて言われた時点で怪しむべきだった。相当いい加減な対応だったのに、当時年齢=彼女いない歴の童帝男子だった私にはチーレムを願うことで頭がいっぱいだった。

 しかし、貰えたチートは貰わなくても良いものだった。この世界では神を信じれば信じるだけ回復魔法の使用回数が増え、回復力も増えるという。今では全く神様なんて信用ならないと思っているが、神様と直に出会った私の回復魔法は神の存在を知っているだけの強さを誇る。つまり、死んでから一時間以内なら髪の毛一本からでも蘇らせることができるレベルである。


「経験人数は間違いなく、私が一番多いですよ!だから私に始めては任せなさい。」

「経験人数だけで判断するべきじゃないだろ! お互いに気持ちの通じ合った形が一番に決まってる。」


 あー、後ろがうるさい。

 そもそも経験人数が多いって言っている商人よ……貴方のそれは借金漬けにした人達や経営してる孤児院もどきの子供たちを食い荒らした結果でしょうが! 十歳以下の子供ならロリもショタも喜んでいただく性的倒錯者め!

 生活を良くするためにと金持ちを狙い撃ちにして回復魔法を考えなしに使うんじゃなかった。明らかに恨みから毒を盛られていたやつじゃないか……。

 絶対に性的倒錯者とは一夜をともにする気はないからね!


「相手に選んでもらう形にするのならば我が選ばれるであろう! なにせ闘技場にて、この大きな胸に観客たちは大喜びであったからな!」

「胸を揺らしながら喋るんじゃない! このデブ! 時代はスレンダーな痩せ型なんだよ!」


 性的倒錯者を選ばないといったけど、君達も選ばないからね?

 異世界転生といえば奴隷を安く購入して、回復魔法で体を治してスローライフというのが定番だと考えて闘技場の奴隷を安くで購入したのだけれど……判断を完全に間違えた。

 一時間以内なら簡単に死者蘇生が出来るといったが、その証明が剣奴のサイコパスである。

 対戦相手の返り血で染まった服をコレクションしており、戦績は最後の一戦以外は全勝という○○○○っぷり。

 最近は常々、初めて同士の夜の行為で染まったシーツを家宝にすると言っているほどである。

 流石にそこまでの特殊性癖は持ち合わせてないので君もパスだ。


「親しさで言えば愛称のアレックスと呼んで、愛称のクリスと呼んでもらっているオレサマの勝ちだな!」

「一番の新参が何を行っているのです。あなたが一番親しさの欠片もないでしょう。」


 クリスさんや? 呼んでもらっているというか呼ばせているの間違いでは?それに私のことを愛称で呼んでいいって言ってませんし……。

 貴方に関しては初対面から苦手なんですよ。

 強力な回復魔法を使うことができることが広まって、私の回復魔法を望む人が増えたときに人攫いにあってしまった。その人攫いの組織のトップがクリスさんである。回復魔法を私に使わせるために私の指を数本落とされたし、行きつけの食堂の女の子を発狂寸前まで拷問したりと正直ドン引きである。

 正直、あなたの顔を見るだけで少しチビリそうなんですよね。


「はあ、本当に勘弁してほしい。」


 そう小さくボヤきながら足元で大人しくお座りしている子狼を撫でる。


 「大丈夫だよ、初めては僕がもらってあげるからね!」


 そう子狼がこたえる。ブルータスよ……お前もか!?

 神狼フェンリルを助けたおり、子供の一匹をお供にと渡されたのがこの子である。神狼の子供であるだけあって人の姿になることができるが、その姿は五歳ほどである。母親のフェンリルのようなボン・キュッ・ボンであればまだしも君のような姿はノーサンキューです。

 子供に手を出すのは商人だけで十分ですよ。


 はあ、本当に碌な相手が居ない。いっそ出家して可愛いシスターが沢山いるところで生涯を終えたほうがマシな気がしてきたよ。

 何故なら、今世のわたしの名前はアレクサンドラ。前世が男の、今世女だからだ。男の心を持ってるのに男に抱かれる趣味はない。

 転生させる性別間違えてますよ神様! 今からでも遅くないので早く男に戻して!!!



■◇■◇■◇■◇■◇■◇■◇■


しばらくのち、とある宿屋の一室で複数の射精音が鳴り響いたという……。

「「「「――ボビュボボドポビュルボボボボボビュボビュルルルゴビュルルバババビュルウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッ!!! ゴビュッ、ゴビュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウッッッ!!!ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボッ!ブバッブバッ、ブビュルルルルルルルルルルルルルルルル!!!!!」」」」

 どうも初投稿です。

 今回、第一回パチまんじ杯開催ということで初めて真面目に執筆しました。かなり拙い部分ばかりだとは思いますが、ここまで読んでいただきありがとうございます。


 さて、読み終わりのネタバレなのですが登場人物の紹介です。

主人公:アレクサンドラ(愛称アレックス)

商人:ロリショタ初物大好きな性的倒錯者

剣奴:大胸筋を歩かせながら話すサイコパス

マフィア:クリストファー(愛称クリス)

子狼:ブルータス♂


 今回のパチまんじ杯のお題が『異世界転生・転移ハーレム』の短編ということだったのでハーレムを書くには短編だと難しく、キャラクター説明だけで話が終わりそうだな……。と思いましたのでキャラクター説明だけで終わらせて起承転結の転で男性から女性に転生させられた。というオチにしたらどうかという話でした。

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