第06話 成果
次の日から1週間。僕はグレイスさんの下で訓練した。
「さぁ!こい!!」グレイスさんが剣を構える。
「付与魔法・光、縮地!」一気に間合いを詰める。
剣に魔力を纏う。(剣撃!)
ガキィィィン!剣を交える。グレイスさんの力の方が強いので力を剣で流しつつ次の攻撃に移る。
「連撃!」
これは新しく編み出した技だ。剣撃の連続攻撃をしていると身についた。5連続の剣撃を短い間隔で放つことができる。ただ、単発の時より威力が落ちる。
グレイスさんの剣が光を纏う。ホーリースラッシュだ。
グレイスさんの剣筋を見極め上に飛び、避ける。
「ライトニング!」右手を差し伸ばし、光魔法を放つ。MPが一気に抜ける、ここで決める。
(縮地!)ライトニングを避けるグレイスさんの次の行動を予測し、飛び込む。
「剣撃ぃっ!」決まると思ったが僕の剣は虚しく空を斬った。
首元に剣を添えられる。
「また私の勝ちだな。」
「うわぁぁぁぁ!また負けた!」結構悔しい。
「太刀筋もいいし、魔力の纏い方も身についたようだな。スキルレベルも上がってる。訓練はとりあえず中断でいいだろう。またいつでも付き合うからな。」と優しく言ってくれた。いい先生だ。
「Dランクになるとダンジョンに潜れるようになるからとりあえずの目標はDランクだ。頑張れよ!」
「ありがとうございます!」
そうして僕はグレイス家を出ていつもの寮に戻った。ちなみにグレイスさんと一緒に。
部屋に戻った僕はステータスを確認することにした。1週間ぶりだ。楽しみだ。
「ステータス!」
アグマ・ライオレット
年齢:10歳
職業:魔剣士
冒険者ランクF
所持金:19800G
Lv.10
状態:正常
HP:130/130
MP:100/100
ATK:105(+50)
MAT:102
DEF:104
MDF:103
INT:60
AGI:140
LUK:100
スキル
剣撃Lv.4、連撃Lv.2、縮地Lv.5、魔纏Lv.MAX、付与魔法(火、水、風、光)Lv.3、暗視Lv.1、光魔法Lv.5
耐性
毒耐性Lv.1、痛覚耐性Lv.1、火耐性Lv.1、疲労耐性Lv.3
固有スキル
ラストリベンジ(他人には表示されない)
特殊装備
ゴブリンの腕輪:ATK+50
なかなか強くなってる。モンスターを倒さないとレベルは上がらないが、スキルの方は上がるみたいだ。とりあえず明日はクエストをより多くこなそう。そうして僕は眠りに落ちた。
チュチュチュンッッッ
あぁ、今日もいい朝だ。今日は実に冒険日和と言えるだろう。一階に降りて朝食を食べる。
今日はパンにコーヒーと野菜スープだ。
「エリさん、今日もありがとう!」感謝の言葉は忘れない。僕は気持ちよく宿を出てギルドに向かった。
今日はランクをいち早くあげることが目的なのですぐにこなせそうなものを選ぶ。依頼板と睨めっこしながら依頼を5つくらい取る。
カエデさんの下に持っていく。
「アグマさんお久しぶりです!聞きましたよ!Sランクの下で修行なんてすごいですね!これからも頑張ってくださいね!」
風の噂って怖いな笑笑。
「この5つですね、今日中には終わりそうなので問題ないです!では頑張ってくださいね!」
その後僕はギルドを出て依頼をこなした。
・下水道のスライム討伐
・僕の落とし物
・グリーンウルフの肉採取
・クラッシュの肉採取
・風車の修理
Eランクの仕事も少し混ざっているが、それほど問題なく終わった。訓練の成果が出ているのだろうか。
依頼が早く終わってしまったので別の依頼を受けることにした。
・コッコルピアの肉採取
これにすることにした。コッコルピアは結構素早いので難易度が高いそうだ。早速マグラ高原に向かう。
マグラ高原に向かうと早速コッコルピアを見つけた。採取量は最低5匹なので無理のないようにしよう。
(縮地!付与魔法・火、剣撃!)
速いと聞いたのにそうでもなかった。これも訓練のおかげだろう。グレイスさん神だな。
その後もどんどん狩っていった。
「ライトボール!」
「ライトニングッ!」
「連撃!剣撃!」
あれから18匹狩ることができた。なかなか楽だ。強くなったのだろう。楽しい。
まだ日没まで時間があるから試したいことをやってみるか。
魔纏を使えば盾を作ることもできるんじゃないかと思って試したかったんだ。
剣を持ってない左手を前に突き出して、まずは左手を魔力で纏う。これはうまくいった。
この後、目の前に魔力の塊を出してそれを引き伸ばす感じで大きな盾をつくる。
だがうまくいかない。イメージはできているが魔力の塊を引き伸ばそうとすると発散してしまう。魔力の操作が下手なんだろう。
その後日が沈み出すまでしたが、うまくいかなかった。むずすぎんだろ!
とりあえず今日のところは中断し、ギルドに戻った。どうやらEランクの昇格ができるとのことで昇格した。これでDランクの仕事も受けれるようになった。
18匹のコッコルピアにはかなり驚かれたな。カエデさんの驚いた顔が頭に焼き付いている笑。
宿に戻るとエリさんがすでに料理を作って待ってくれていた。グレイスさんも待ってくれていたようだ。
「おかえり!早く食べよっ!」
そんなことを言われて不思議と幸せな気持ちになれた。おかえりの力は偉大だな。
ご飯を食べている最中にグレイスさんに魔力の操作について聞いてみた。
「魔力操作か、それならフェイドに聞いてみたらどうだ?」
フェイド?誰だろうか。
「グレイスさん!?フェイドってSランクの大魔法士の方ですか!?」エリさんが驚く。
なんだと!?Sランク!?
「あぁ、Sランク同士は結構仲がいいからな。あいつはマグラ・ファミリアの中心にある大きな塔に住んでいるから行ってみると良い。」
「はい!行ってみます!」
「あっそうだ。これを持っていけ。」
渡されたのは1枚のカードのようなものだ。
「これは通行証みたいなものだ。これがあればフェイドのところまでいけるはずだ。」
「色々とありがとうございます!」
「いいなぁ、私も会いたい〜」エリさんが羨ましそうにこっちを見てくる。
「感想だけでも教えてくださいね?」
「分かりました。明日の夜たくさん話しますね。」そう言った後再び食事を続けた。
フェイドか。こんなにもSランクに会えるとは運がいいな。
夕食を食べ終わった後、部屋に戻った。
「ステータス」
アグマ・ライオレット
年齢:10歳
職業:魔剣士
冒険者ランクE
所持金:42400G
Lv.12
状態:正常
HP:148/148
MP:118/118
ATK:120(+50)
MAT:115
DEF:123
MDF:124
INT:60
AGI:165
LUK:100
スキル
剣撃Lv.5、連撃Lv.2、縮地Lv.5、魔纏Lv.MAX、付与魔法(火、水、風、光)Lv.3、暗視Lv.1、光魔法Lv.5
耐性
毒耐性Lv.1、痛覚耐性Lv.1、火耐性Lv.1、疲労耐性Lv.3
固有スキル
ラストリベンジ(他人には表示されない)
特殊装備
ゴブリンの腕輪:ATK+50
良い感じの伸びだ。この間は気にしてなかったが、魔纏はレベル表示はあるのか、だけどレベルは最大になっている。要は俺が使いこなせてないのか。
とりあえず明日が楽しみだな。フェイドさんか、どんな人なんだろうか。
僕は明日のことを考えながら眠りについた。