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劣等魔剣士の成り上がり  作者: 劣等生の成り上がり
始まりの
22/22

第18話 失った者

―聖都アリエスから20kmほど離れた場所―


 ガラガラララ....。


 瓦礫の中からカノンの姿が現れる。


 「くそっ、なんだあれは。早く戻らねば。」


 「固有スキル:慈愛の翼。」


 カノンの背中から翼が生える。


 バサッバサッッ


 翼を羽ばたかせ宙に浮く。翼が光り輝き、カノンはアグマの元へと急ぐ。



―聖都アリエス―


 壊滅状態の聖都、街が破壊され至る所で炎が上がっている。住民は少しは生きているが、大半が殺されている。


 瓦礫にイナが埋まっている。


 「うぅ、アグマ...」


 イナが意識を取り戻したが手足がうまく動かない。上空にいる、アグマに目を向ける。


 「いいなぁ、その光のない目、私のために働いてくれよ?そういえば生意気な小娘がいたな、アグマ最初の仕事だ。」


 生気のないアグマが口を開く。


 「はい、なんでしょう。」


 「あの瓦礫に埋まっている小娘を殺せ。」


 「分かりました。」


 その返事を聞いて、デュラハンが満足そうは笑みを浮かべる。


 「強制強化、闇魔法、ブラックホール。」


 アグマが右手から黒色の球体を出す。


 「アグマはブラックホールなんて使えないはずなのに。」


 イナが驚きを見せる。


 「イナ、さようなら。」


 アグマが右手を振り下ろす。黒の球体がイナに向かう。


 「シャイニングッ!」


 声を出しても魔法は飛び出さない。魔力切れだ。


 (ここまでなのね。)


 イナが覚悟を決めて目を閉じる。


 ギュオオオオオオオオツッッッ...シュンッ。


 黒の球体がイナに当たり周りのものを吸い取り、消えた。


 残ったのは窪んだ地面のみ。


 「フッハッハッハ!!素晴らしい。それでは戻るか、時空の歪み。」


 目の前にワープホールができる。その中へとデュラハンとアグマは消えていく。


 

 事が終わり、カノンが聖都着いた。


 「あぁ、くそ、何もかも間に合わなかったのか。イナは!?」


 あたりを見渡すがイナの姿はない。


 「ライフチェイン。」


 カノンの心臓から光り輝く鎖が出てくる。すると急に凄い勢いで鎖が伸びる。


 キィィン!!


 鎖が伸びきる。


 「まだ生きてる、この先か。」


 カノンが光の鎖を辿りながら、イナのもとへと急ぐ。



―魔王城―


 「帰ったか、デュラハン。」


 「ただいま戻りました。人間というものは脆いものですね。」


 苦笑しながら感想を述べる。

 

 「その人間は誰だ?」


 「こいつは先程の戦いで手に入れてきました。魔剣士という職業のものでして、配下にはいいかと。」

 

 「ふむ、魔眼。」


 魔王の目が赤く光る。


 「なんだ、Lvが21ではないか。固有スキルもない。こんなやつが強いのか?見定めだ、こいつと戦わせてみろ。」


 グォォオオオン。


 目の前に黒い魔法陣が現れ、犬の顔が3つ付いた獣が出てくる。


 「ケルベロスですか!?いえ、大丈夫です。」


 デュラハンも流石に驚く。


 「ま、死んだらその程度だったということ、所詮人間。」


 魔王が冷徹な声で言う。


 「アグマ、そいつを殺せ。」


 デュラハンが指示する。


 「はい。縮地。」


 アグマがケルベロスに近づく。


 「ダークディメンション。」


 剣を出し、技を繰り出す。しかし、ダメージが入らない。


 「ギュオオオオオオオオツッッッ!!」


 1つの首から攻撃され吹き飛ぶ。


 ドゴォォンッ!アグマが壁に埋もれる。


 「こんなやつが使えるのかデュラハン?」


 魔王が分かっていたかのように笑みを浮かべる。


 「いえ、こいつには才能があります。」


 デュラハンはまだ諦めていない。


 ガラガラ、壁からアグマの姿が見える。


 「急速成長。」


 バァァァンンン!! 壁が大きく抉れる。


 「グオァァァァァァァ!!」


 ケルベロスの喉元が赤く染まる。


 「ガァアアアア!!!!!」


 ケルベロスが炎をアグマに吹く。


 「強制強化、氷魔法・ブリザード。」


 パキパキパキパキッッッッ。


 ケルベロスの炎が凍りついていく。


 「縮地。」

 

 先程よりも早く、凍りついた炎を渡り距離を詰める。


 「死ね、魔力操作、フレイムディメンション。」


 魔力操作で自身の剣を大剣へと変え、炎を纏った剣でケルベロスの首を一閃する。


 ドスゥゥゥンン。 ケルベロスの首が地面に落ちる、断末魔を出させることなく勝敗が決まった。


 アグマが剣についた血を払い、魔法袋に収納する。


 「こいつはすごいな。」


 魔王が驚きを隠せない。


 「私も驚きました、洗脳した途端に予測ですが持っていないスキルを発現させました。」


 「私たちの固有スキルといったところか。」

 

 「そうですね、彼には今後私と同行させようと考えているところです。」


 「ふむ、いいだろう。」


 

 シュンッッ!


 魔法陣が現れ、レイティアが現れる。


 「やっと帰ってきたか。何をしていたんだ?」


 魔王が威厳のある声で尋ねる。


 「いえいえ、ずっとリリスの様子を見ていたのよ。フィルマーチは洗脳済み、何匹か逃したけど、いい感じよ?」


 「ふん、仕事が遅いな、ノロマが。」


 「チッ、なんか文句あんの?」


 デュラハンとレイティアが睨み合う。


 「ちなみにその人間はなんなの?」


 レイティアが不思議そうにこちらを見つめる。


 「お前にとってのリリスみたいなものだ、まぁ俺の配下の方が強いがな。」


 「リリスが戻ってきたらあなたの人間ズタズタにしてあげるわ?」


 「臨むところだ。」


 バチバチバチッッ。


 2人が睨み合い、魔力衝突で空気が揺れる。


 「落ち着け。」


 グォォオオオン!


 「「!!!???」」


 とてつもない魔力が一帯を覆う。


 「「すみません、おさがわせしました。」」


 2人共跪く。


 「まぁいい、これからもっと仲間が増えるだろから毎回喧嘩されても困るぞ。」


 魔王が腕を組み、ため息をつく。


 「これからやることは特にないからな、2人とも好きな住処を見つけ、人間を滅ぼし、魔族の世界をつくろうぞ。」


 「「了解です、魔王。」」


 「さぁいくぞ、アグマ。」


 グァァン。ワープゲートを作り、その中へと消えていく。


 レイティアもワープゲートを作り、消えていく。


 

―聖都アリエス―


 「見つけた。」


 カノンがイナを見つけた。


 「あ...ぐっ、せ、聖女さま?」


 「イナ達の下に戻ったらアグマはいなくて、イナは聖城の中にいるし。とりあえず回復させるわね。」


 「命の雫。」


 カノンの指から光り輝く雫が落ち、イナに当たると、イナの体が光に包まれ、体の傷が全て消える。


 「聖女様、私なんかのために、ありがとうございます。」


 「いいのよ、長い付き合いなんだし、それよりアグマはどうしたの?」


 「ご、ごめんなさい、私の...私のせいで、実は洗脳されちゃって、連れて行かれちゃった。」


 イナが悲しそうな顔をする。


 「なるほどね。」


 「でも、最後に魔法を当てられたんだけど、魔法に重ねて転移魔法を展開してくれてたの、そのおかげで私は助かってる。だからアグマは完全には操られてないはず。」


 「そしたら私たちが助けてあげないとね。その前にまずは戦力を募らないと、とりあえず聖都を元の姿にしてあげましょう。」



 そうして、聖女様は聖都アリエスの再建に力を注ぎ、イナは戦力を募るために、まずはアグマがやってきたマグナ・ファミリアへ向かった。

 



―マグナ草原―


 「はぁぁ!!ボルケーノっ!!」


 大きな火の玉が爆発を起こしながら放たれる。


 「魔法再現・バブルブレイブ。」

 

 無数の水の刃が泡を纏いながら火の玉に直撃する。


 

 ドォォオオン!シュオオオオオオッッ!!



 大きな爆発音と共に水蒸気が発生する。


 「やはりその魔導書とやらはイカれてるな。魔法再現ってなんだよ。」


 フェイドが呆れたようにいう。


 「君こそ、上位魔法をバンバン撃ちやがって、魔力の底がないのか!?」


 サルドがツッコむように答える。


 「君が来てからもう1ヶ月か、フィルマーチはいまだに異常がないか....。」



―1ヶ月前―


 リリスとの戦闘を避けたサルドは友であるフェイド・エレメンタルのもとに向かった。

 

 

 マグナのエルファス塔についたサルド。


 「すまない、フェイドに会わせてくれないか?」


 「すみません、フェイド様は大変お忙しので私情で会うことは禁じられているのですよ。」


 たぶんフェイドのメイドだろう。丁寧に断られた。


 「あー、サルドが来たといえば分かるか?」


 「サルド...もしかしてサルド・エレメンス様ですか!?すぐにご主人様をお呼びします。」


 そう言って、メイドは奥の部屋と走っていった。


 1分ほどしてワープゲートが目の前に現れ、フェイドが出てきた。


 「懐かしいな、テレポート。」


 「!?」


 足元に転移魔法が展開され、一瞬にして景色が変わる。


 「ここはマグナ草原だ、君が偽物かもしれないからな、試させてもらおうと思う。」


 フェイドがニヤリと笑う。


 「魔導書展開。」


 サルドが魔導書を展開させる。


 「フレイム、ブリザード。」


 フェイドの右手に炎を纏い、左手に氷を纏う。


 「俺も強くなったぞ、魔法融合。フレイムブリザード!」


 炎と氷が混ざり合い、反発し合いながら、威力を増してサルドの方に向かう。


 「相変わらず、無茶苦茶だな。」


 サルドも笑みをこぼす。


 「魔法強化・ハイエンハンス、魔法再現・エレガントバーンッッ!!」


 ドゴォォオオオオッッッッ!!


 無数の魔法陣から岩壁がフレイムブリザードの前に立ちはだかる。


 岩壁を凍らせ、破壊するが、魔法の威力がだんだんと落ち着き、サルドに届く前に消えた。


 その後も魔法を打ち合い続けた。


―1時間後―


 「はぁ、はぁ。その無茶苦茶な魔法、サルド本人だな。」


 こうして、フェイドからサルドは承認を得た。


 


 エルファスに戻ったサルドはフェイドに今までのことを話した。



 「なるほど、リリスか。たぶんフィルマーチは堕ちているだろうな。」


 フェイドはリリスの強さを分かっているようだ。


 「あそこにはAランク冒険者もいるのだが、やはり無理だろうか?」


 「魔法再現とやらで見たんだろ?強さを。とりあえず、偵察くらいなら行かせてやるよ。」


 「ありがとう。」


 サルドが安堵した顔を見せる。


 

 「生成魔法・分身。」


 フェイドの前に魔法陣ができ、フェイドそっくりの人が現れる。


 「これに意識を向けることでこの人形の視点を見ることができる。複雑な指示は出せないから気をつけてくれ。魔法再現とやらで真似してみてくれ。」


 「ありがとう。魔法再現・分身。」


 サルドの目の前にもサルドに似た人が現れる。


 「フィルマーチを偵察してくれ。テレポート。」


 フェイドは人形2体をフィルマーチに飛ばした。その後2人はその人形に意識を向けた。

だいぶ遅くなってしまいすみません。

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