第15話 動き出す闇
かなり更新に間が空いてしまってすみません!
次の日からもイナさんの教えを思い出しながら練習していた。
「魔纏、付与魔法・光!」
指を切って、傷口に集中させる。光が僕の指を包み込み、光が晴れると傷が治っている。
おぉ、いい感じや。しかし、自分で感覚を掴んでとはいかない。
「いい感じですね。」
横から声がして振り向くと聖女様がいた。
「イナからコツを聞いたみたいですね。どんどん学んでいってください。」
「はい。頑張ります!」
「今日は街を案内します。イナを連れて行きなさい。」
「分かりました。」
なんかイナさんとのデートが急に確定した。
朝食の後イナさんが、やってきた。
「準備ができましたら部屋に向かいますのでお待ちください。」
そう言われて、僕は部屋で待つことにした。
そういえば今のステータスはどうなっているのだろうか。
「ステータス」
アグマ・ライオレット
年齢:10歳
職業:魔剣士
冒険者ランクD
所持金:127000G
Lv.21
状態:正常
HP:415/265(+150)
MP:232/232
ATK:231(+50)
MAT:208
DEF:214
MDF:245
INT:80
AGI:260
LUK:100
スキル
剣撃Lv.5、連撃Lv.4、縮地Lv.6
ディメンションLv.2
魔纏Lv.MAX、魔壁Lv.MAX、魔力操作Lv.4
付与魔法(火、水、風、光)Lv.5、暗視Lv.2
水魔法Lv.3、風魔法Lv.4、光魔法Lv.5、闇魔法Lv.1、神聖魔法Lv.0
耐性
毒耐性Lv.3、痛覚耐性Lv.2、火耐性Lv.1、
疲労耐性Lv.3、魔力耐性Lv.4、
固有スキル
ラストリベンジ(他人には表示されない)
特殊装備
ゴブリンの腕輪:ATK+50
真紅のネックレス:HP+150
神聖魔法Lv.0?まだ未習得だが、可能性はあるってことなのか?難しいところだなぁ。レベル自体も敵を倒してないから上がってないんだよなぁ。
「ぐぬぬぬぬ...」
「そんなに難しそうな顔してどうしたんですか?」
声のする方を見るとイナさんがいた。メイド服じゃない、可愛い服を着たイナさんだ。かわいい。
「お待たせいたしました。メイド服以外を着るのは久しぶりなのですがどうですか?」
「すごくお似合いです。てかかわいい。」
「あぅ、ありがとうございます。」
「そういえば、イナさんって何歳なんですか?」
「えっと、今10歳とかだと思いますけど。」
「え!?同い年!?」
まさかの年齢が一緒だと言う事実に驚きを隠せない。だって明らか僕よりしっかりしてるんだもの。
「え、アグマさんって10歳だったんですか!?」
え、この感じで10歳なん?って顔されてる。絶対礼儀とかなってないやつだと思われてた。
「同い年とは驚いたな。それなら敬語とかは堅苦しいからやめない?」
正直同年代の友達が欲しかった。
「そうですね、あ、そうね。まだ慣れてないから敬語が出てしまうかもしれないけど。」
「じゃあ、改めてよろしくね!」
「よ、よろしく。じゃあ、出かけよっか?」
「うん!」
こうして僕たちはアリエスの町に躍り出た。
「こっちこっち!」
彼女に連れられるがまま、いろんなとこに行った。
最初は武器屋!
「よぉ!俺は武器屋のダルフだ。聖属性の武器なら世界一だぜぇ。他の武器も世界一だけどな!はっはっは!!」
すごい、ごっついおじさんだったなぁ。
次に洋服屋!
「うちは仕立て屋のヴェル。私の作る服は世界一よ?」
「アグマ、この服似合いそうじゃない?」
「イナもこんな服どう?」
洋服屋では色々服を着合わせてみたりして楽しかった。結局2人とも服を1着ずつ買った。
その後も、日が暮れるまで街を散策した。
「ふぅー、今日は疲れたね。」
片手に先ほど買ったクレープを持ちながらイナが言った。
「でもイナのおかげで楽しかったよ。ありがと。」
今日は本当に楽しかった。
「そっか、、アグマが楽しんでくれたなら私も連れて行った甲斐があったよ!」
イナのほっぺが薄くピンク色に染まる。
「じゃあ帰ろっか。」
「うん、そうだね。」
そうして僕たちは城に戻った。
―魔王城―
「レイティア、先程の町はどうなった?」
「はい、とりあえずリリス達に向かわせて洗脳を開始しています。」
「そうか。まだ私は完全ではない。それまではお前達にはしっかりと動いてもらう。」
「ええ、仰せのままに。」
バシュンッッ。 レイティアが一瞬にして姿を消す。
「ふはは、私が完全に復活するまであと10年。楽しみだ。」
低く重たい声が暗き城内を響き渡る。
―フィルマーチ―
この町の空に多くの人影が現れる。
「ここが私の奴隷となる町ねぇ!!ふっふふふ!!」
多くの人影のボスである。リリスだ。
「魔法士よ、うてぇぇ!!!」
「「うぉおおおお!!!!!」」
地上から数々の魔法が放たれる。
「そんな貧弱な魔法が私に通るとでも?ブラックホール。」
リリスが手を掲げ、黒い球体をだし、その中に全ての魔法が吸い込まれていく。
「なんだと!?」
「さぁ、可愛い我が子たちよ。洗脳しておしまい!」
リリスが町に手を振り下ろすと共に、リリスの周りのサキュバス達が一気に襲いかかる。
「やめてくれぇ!」
「ぐぅあああぁぁああ!」
サキュバスが尻尾の針を町の人に刺していく。すると、刺された人は先程までとは一変し、ぼーっと立ち尽くしている。
しかし、
「ハードブレイク!!」
ドォオオオオン!!
サキュバスに歯向かうものもいた。
「ノール!そっちに2匹いったぞ!」
「任せて、炎の円舞!」
ノールと呼ばれる女性がサキュバスを葬り去る。
「セレアは大丈夫!?」
ノールが目線を向けた先にレイピアで舞い踊る女性がいた。
「ノール!こっちは大丈夫!」
「セレア危ない!!」
セレアがよそ見をした途端にサキュバスが前から襲い掛かる。
「心配いらないわ、スピアランス。」
セレアが足に力を入れ、一閃。敵が真っ二つになってゆく。
―フィルマーチ上空―
「ふぅーん、少々厄介な奴らがいるわね。私の戦力が減るのも嫌だし、片付けますか。」
リリスがニヤリと笑みを浮かべる。
「デス・アブソーブ」
そう口にした途端、地上にいるサキュバス達がリリスに吸収されていく。
「んぅーーん!これこれ!気持ちいいわねぇ。」
「!!!?」
地上で戦っていた彼らも上空の存在に気づく。
「おいおいおい、なんだあの魔力量は、サルドさんくらいあるんじゃないのか!?」
「こいつはまずいぞ、アレザはまだか。」
「インフェルノ!!」
ドオォォォン!!!
エルガー達の背後から魔法が放たれ、リリスに直撃する。
「すまない、遅くなった。」
「「アレザ!」」
皆が安堵する。
「多分俺はやつに敵わないが、みんなで協力すれば倒せる。補助は任せてくれ。」
「ありがたい。」
エルガーが剣を構えると、セレアとノールも構える。
「飛ばすぞ、フロート。」
アレザの魔法により皆が浮かぶ。
インフェルノの煙が晴れ、リリスが現れる。
「痒い魔法ね。」
「はぁあああ!!剣撃!」
エルガーが先手を打つ。
「武器召喚。おいで私の可愛い子♡」
リリスが異空間から鎌を取り出す。
キィィッッッッン!!
「甘い攻撃ねぇ。ハァア!!」
リリスが鎌を振る。闇魔法を付与しており、紫色のオーラが鎌を纏っている。
「ぐぅ!!」
エルガーが吹き飛ぶ。
「行くよセレア!」
セレアとノールが同時攻撃を仕掛ける。
2人の隙のない攻撃に対してもリリスは易々と躱していく。
「くっ、強い。」
「これで全力?じゃあ1人頂くわね。」
リリスの速度が急速に上がる。ノールの首元に鎌が迫る。
「ノール!」
「ホーリメント!」
目の前が光に包まれる。
「ぎゃあああぁあ!!」
リリスが悲鳴をあげる。
「アレザ、ありがと。」
2人がさらに追い討ちをかける。
「付与魔法・光。」
2人の間に光属性がつき、リリスによりダメージを与える。
「くそくそくそ!!」
リリスが怒っているのが分かる。先程の魔法が効いたのか、2人の剣が擦りだす。
ドォォンン!!
2人の背後から、エルガーが飛んでくる。
「2人とも避けろ!」
セレアとノールが勢いよく、避ける。
「固有スキル、ジス・ブレードエンド。」
エルガーがリリスに一閃。次の瞬間、リリスの内部から斬撃波が何百回も放たれる。
「あぁ..」
リリスから弱々しい声がした後、地面に落ちる。
「やったのか!?」
エルガーが様子を見にくる。
「心臓の音は聞こえない。死んでいるだろう。」
「ねぇ。」
セレアが不思議そうな顔をする。
「どうして死体が消えないの?」
「「!!!」」
「みんな構えろ!これは幻術だ!」
「シャイニング!!」
アレザが魔法を使うと、空間が歪み出し、本当の世界が現れる。
「あらら、バレっちゃったのね。」
「ホーリメント!」
パァァン!!
リリスがホーリメントを指で弾く。
「そんな攻撃効くわけないでしょ?4人ともいい強さだけど私には敵わないわねぇ。」
「たわけ!!ジス・ブレードエンド!」
エルガーが一閃するが、斬撃自体を叩き割る。
「なんだと!?」
「この攻撃は当たれば回避不可だけど、当たる前に壊すのは可能なのよね。ふふふ、カーンタン。」
この時、アレザは勝ちを諦めており、別のことを考えていた。
(今の魔力量では逃がせるのは2人だけか。逃すならセレアとノールだな。手の内が明かされていないのはデカい。)
「さて、そろそろ終わりにするわ。デバインド。」
「ぐぅ、身体が重い。動けない。」
(まずい、バインドの強化版か、いや、でも動ける力を振り絞れ、動け!動け!)
「スレイドワルツ!」
リリスが言うのと同時にアレザも魔法を放つ。
「テレポート!」
セレアとノールが転移する。
(くそ、意識があぁ....)
「「リリス様。」」
エルガーとアレザがリリスに膝をつく。
「あなたでしょ?さっきのテレポートは2人をどこにやったの?」
「悪魔の魔力が集まっていない場所にランダム転移させました。なので場所はわかりません。」
「くそ!使えないわね!」
ドゴッッ。 アレザの頭を蹴る。アレザは何も言わない。
(この魔法士、頭がいいわね。私に洗脳されることを分かっていたみたいだし、何より普通の魔力と、悪魔の魔力の違いを知ってるなんて化け物だわ。)
「さぁ、2人とも魔王城へ戻るわよ。」
「フロート。」
エルガーとアレザは洗脳されたまま、リリスと共に夜の闇へと消えていった。




