第12話 続行
次の日、再びダンジョンに向かうことにした。そういえば昨日ギルドで換金しているときに聞いたのだか、40階層を踏破したパーティが出てきたそうだ。後日その奥、未開拓の43階層まで行くそうだ。
「すごい人達ばかりだなぁ、俺も頑張らないと。」
そう思い、早速ダンジョンに向かった。今日は11階層から始めるつもりだ。フェイドさんの転移ポータルにのり、11階層まで一気に向かう。
〜11回層〜
「キィィィ!!」っと高音の音がしてやってきたのはメルバットというモンスターで空を飛んでくる。
「ライトニング!」
バチィィィィィイイイ!!
複数体いたのでライトニングで一気に片付ける。特にその後も難無く進めた。だってライトニング打って魔力無くなったら回復しての繰り返しだしなぁ。
〜12階層〜
次の階層に進むとそうはいかなかった。
「ライトボール!!」
「うおぉ!!危ねぇ!!」
ライトボールが跳ね返ってきた。どうやら魔法反射の能力を持つ敵っぽい。名前がわからん。後で聞いてみよう。
とりあえず剣で斬るしかない。
「ふん!!剣撃!」
上に飛んで斬り裂いた。うーん、キツい。多分毎回飛んでたら体力的に持たない。
「あ、浮遊魔法はどうだろ。」
まだ習得はしていないが、浮遊魔法に近いものを再現できれば、楽になるのではないだろうか。
「ウィンドボール!」
地面にウィンドボールを着弾させ勢いで飛び上がる。
しかし、方向がうまく定まらず壁に激突する。
ドォォォオオオン!ガラガラガラ...
「いってててて。あぶね!」
こんなことをしている間にも敵は攻撃してくる。
そうだ。手からじゃなく剣から魔法を出せば真っ直ぐ飛ぶのでは?
そう考えた僕は剣に魔力を込め、剣のの真ん中から魔法の発射型を現させる。
(ウィンドボール!)
剣先から魔法を放つことで威力、速度が増加し、発射した方向と逆方向に一直線に飛んだ。
「うっ、速い。」
集中、集中。ここだ!
「剣撃!」
「ギェェェエエエェェェ!」
今度はうまく斬れた。
断末魔が達成感なんだけど(笑)。
こんな感じで戦うこと10分、ようやく一帯の敵を倒せた。いやぁ、結構集中できた。
13階層はこの2つの階層のミックスバージョンだった。特に苦しくもなかったが、たまに魔法が効かない方に魔法を打つなどのミスをしてしまった。
ここで気づいたのだが、11階層の敵には物理ダメージが通らなかったらしい。
〜14階層〜
なかなか良いペースで進んでいると思う。この階層はすごく真っ暗なので暗視が役に立ちそうだ。
「暗視ってレベル低いとこんなに見えないのか。」
ゴブリンの村の時はまだ松明などで明かりがあったのだが、今回はなにもない。少しずつ力を上げるしか無さそうだ。
静かだ。音がしない。そう思っていた次の瞬間、急に刃物が暗闇から現れた。
「うっ!」
咄嗟に剣で避けたが、全て避けれず、腹が斬れる。
「ぐぅぅう。」
痛い。が痛覚耐性が少しあるのでまぁなんとかなる。集中だ。
「危なねぇ!」
また急に出てきた。全く見えない。次は避けられたが、たまたまだ。
「ライトニング!!」
バチィィィィィイイイ!!
当たらないか。やはり適当に広範囲攻撃を打っても無駄なようだ。ここは駆け抜けるが勝ちか。
「縮地。」
前方に向かって次の階層へ走る。
しかし
「おわぁぁぁあ!?」
ドスゥゥン...
足に何か紐のようなものがあり、それに引っかかりこけた。罠だろうか。目を凝らす。先ほどよりは見えるようになった。
「くっ!」
キンッッ!キンッ!カン!
剣と剣が混じり合い火花が飛ぶ。剣を受けながら気づいた。2体になっていると。多分仲間だろう。
見えない中で戦うのは本当に苦しい。しかし僕もだんだんと見えてきている。その間、相手の攻撃を受けきれず、太ももや脇、腕などを少し斬られる。
「ギィィィアアアィィィ!!」
2体の仲間がやってきて、4体にまで数を増やし、一気に僕を畳み掛けてきた。
「見えた。」
(付与魔法・風、連撃。)
最速の剣を振る。2体を一気に倒す。
「よっし。良い感じだ。」
暗視が上がり、良い感じに見えるようになった。この先に進もうと思ったが、身体を斬られすぎて血がなくなりそうだ。
流石に危ないと思い、僕は10層の転移ポータルまで戻った。
転移ポータルで地上に戻り、ポーションを飲んで傷を回復させ、ギルドに換金をしに行った。
「アグマさん!どうしたんですかその傷!!」
カエデさんが心配そうにこちらをみてくる。
「少しダンジョンで無茶しただけなので、もう傷はポーションで大体は治っているので傷跡が残ってるだけです。」
心配してくれるなんて、なんで優しい人なんだろうか。
「ポーションは傷の治りを促進するだけで、完全に回復するわけじゃないのよ?あっそうだ。あなたに良いクエストがあるの!明日でいいからギルドにいらっしゃい。」
僕に良いクエスト?なんだろうか?
「分かりました。また後日伺いますね。」
そうして換金した僕は町で買い物したり、ご飯を食べたりして、自分の部屋に戻った。
「ふぅーーっっ。」
ベッドに座って一息ついた。
「ステータス。」
アグマ・ライオレット
年齢:10歳
職業:魔剣士
冒険者ランクD
所持金:127000G
Lv.21
状態:正常
HP:415/265(+150)
MP:232/232
ATK:231(+50)
MAT:208
DEF:214
MDF:245
INT:80
AGI:260
LUK:100
スキル
剣撃Lv.5、連撃Lv.4、縮地Lv.6
ディメンションLv.2
魔纏Lv.MAX、魔壁Lv.MAX、魔力操作Lv.4
付与魔法(火、水、風、光)Lv.5、暗視Lv.2
水魔法Lv.3、風魔法Lv.4、光魔法Lv.5、闇魔法Lv.1
耐性
毒耐性Lv.3、痛覚耐性Lv.2、火耐性Lv.1、
疲労耐性Lv.3、魔力耐性Lv.4、
固有スキル
ラストリベンジ(他人には表示されない)
特殊装備
ゴブリンの腕輪:ATK+50
真紅のネックレス:HP+150
暗視と痛覚耐性、風魔法が上がっているな、レベルも1だけ上がってる。暗視はこれからも上げたいな、かなり戦いが楽になる。痛覚耐性は、、、まぁぼちぼち上げていくか。
さぁ今日はもう寝るか。どんなクエストか楽しみだな。
翌日、朝食を済ませギルドに向かった。
「待ってましたよー!こちらです。」
と言って渡されたのは『聖女カノンの補助』。
「聖女カノン?」
「もしかして知らないんですか?Sランク冒険者として名を馳せる、聖女様です!!」
「なるほど!すごい方なんですね。」
なんか、カエデさんがすごい呆れた顔でこちらを見てくる。なんでだ。
「ま、まぁとにかく今日はこのクエストをこなしてください。あっ、こちらの封筒を渡しておきますので聖女様に見せれば伝わると思います。」
「聖都アリエス?どこだ?」
「あ、このクエストは外部クエストと言って、マグナではない場所からのクエストで、移動が必要となります。馬車は手配していますので、準備が出来次第ギルド横の運送場にいらして下さい。名前を申し上げれば、伝わると思います。」
「ありがとうございます!早速向かってみます。」
僕はギルドを出てすぐ横の運送場にやってきた。
「あの、アグマ・ライオレットと申す者なのですが。」
「あぁ!アグマさんですね、話は聞いています。私、運送受付担当のレイ・ルルカと申します。今回は聖都アリエスが目的地でお間違い無いでしょうか?」
「はい!大丈夫です!」
「かしこまりました。すぐに馬車を手配しますので、少々お待ちください。」
妙に緊張してしまった。僕は顔見知りなのかもしれない。
「お待たせいたしました。こちらが本日乗られる馬車でございます。」
木造の頑丈そうな馬車だ。
すると馬車の影から人が出てきた。
「どうもこんにちは、運送者のオルト・ギルスです。以後お見知りおきを。」
30台くらいの若めの男の人が出てきた。そしてもう1人、こちらは馬車の中から出てきた。
「俺はファミネス・クアンタ、護衛だ。今回は夜じゃないから大丈夫だと思うが、気を付けておいてくれ。」
強そうな人だ。弓使いだろうか、背中に弓を持っている。腰には短剣がある。
「お二人ともよろしくお願いします。」
「それじゃあ、さっさと行くか、坊主、準備はいいか?」
「少し待ってもらって良いですか。」
そう言えば、数日間家に帰らないことを伝えないとな。そう思い、エリさんやグレイスさん達にこのことを伝えてきた。
「もう大丈夫です!」
そう言って、僕は馬車に乗り込んだ。
「さぁ!出発だ!!」
パシンッッ!!「ヒヒーーーン!!」
パカラッパカラッと音を鳴らして勢いよく外へ飛び出した。前方から受ける風が心地よい。マグナを出ると鐘が鳴った。まるで僕の旅出を祝福してくれているようだ。
目的地は聖都アリエス、一体どんな場所でどんな人たちに出会えるのだろうか、もう既にワクワクが止まらない。
今思ったんですけど、アグマくんの身体は相当傷だらけでしょうね。完全完治させる方法を出すかはまた考えます。




